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【第12回】学校保健~養護教諭は校内外のコーディネーター 都立園芸高等学校(東京都) 榎戸香主任養護教諭

2017年8月21日
連載:学校保健~養護教諭は校内外のコーディネーター

けがや安全対策など日頃の意識を啓発する

榎戸香主任養護教諭

第12回は東京都立園芸高等学校を訪問。同校は園芸科や動物科など専門的な要素が強く、生徒の学習環境は普通科と大きく異なる。赴任4年目の榎戸香主任養護教諭に話を聞いた。

教員・校医と連携し怪我の対策を万全に

実習授業では植物や動物を頻繁に扱うため、怪我やアレルギーを発症する可能性が考えられる。危険を未然に防ぐため、同校では年に一度、全教員が実習内容を体験し、怪我の危険性が想定される場面を確認する機会を設けてきた。生徒の授業内容を知ることで対策を打ちやすいという。アレルギーについては入学後に初めて発症する生徒もいるため、教員らの意識も高く、榎戸主任が中心となって行う校内のアレルギー研修に積極的に参加している。「他教員らと危機管理の認識を確かめ合える場になっている」と話す。

校医とは実習前を含む年5回の検診を通して連携。同校の特異性について理解があり、実習に関連したアドバイスをもらっている。

宿泊を伴う実習は、食物アレルギーや怪我など、引率する教員にとっては心配な要素が多い。「宿泊実習を引率する教員には校医から直接説明してもらう場を設けている。実習前には不安要素を減らせるよう努めたい」

夏休み中の活動前に熱中症啓発の取組を

夏休みも文化祭準備に励む
夏休みも文化祭準備に励む

夏休み中も生徒は文化祭準備や植物・動物の世話などのため通学している。屋外での活動が多いことから、熱中症対策には特に気をつけている。

毎年保健委員会で啓発活動を行っているが、進んで熱中症計での測定を行うなど生徒の意識にも変化が表れているという。

今年度は新たな取組として、委員の生徒が手づくりしたリーフレットで呼びかけを行った。熱中症だけでなく、突き指や打撲、スズメバチに刺された際の対処法など、実習中に起こりやすい怪我についても項目ごとに紹介。管理職の意見も取り入れ、自転車通学をしている生徒に向けた事故遭遇時の行動についてもまとめた。
「夏休み前に配布したが、委員が手作りしたものなので他の生徒も関心を持って見てくれているようだった」という。来年度の新たな啓発の取組も考えている。

生徒の疑問に回答し充実した歯科指導に

毎年12月に行う歯科指導では、特に3年生を重点的に歯科校医が指導を行っている。「卒業後も自分で歯の健康管理ができるようになってほしい」

検診当日は生徒にアンケートを取り、歯の磨き方や治療についての疑問を調査。歯科校医に一つひとつ回答してもらい、1月の保健だよりで紹介している。

「アンケート調査は生徒の意識向上に直接つながっている。今後も継続していきたい」と語った。

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