修学旅行を取り巻く環境が大きく変化し、その対応にとても苦慮している、という声を多くの学校から聞くようになりました。
物価高騰に伴う旅行費用の上昇、ドライバー不足による貸切バスや貸切タクシーの手配困難、外国人旅行者急増による修学旅行の人気スポットの大混雑や宿泊費の値上がり、加えて旅行会社の入札辞退など、これまでの旅行先で同じ内容の修学旅行を実施しようとしても費用の面で難しいという状況が生じています。
修学旅行の費用は、学校が保護者から徴収する積立金によって賄われていますので、保護者の負担増を考えれば、簡単にその金額を引上げることはできません。学校も、旅行先や活動内容の変更、宿泊日数の短縮などいろいろと工夫はしていますが、それでも打開できない現状があります。
一部の自治体が公立中学校の修学旅行費無償化を打ち出しました。これは、経済的な理由で修学旅行に参加できない生徒が少なからず存在するなか歓迎すべきことではありますが、自治体によって格差が生まれてしまうという懸念があります。
修学旅行は、児童生徒にとって「平素と異なる生活環境」での様々な体験を通して学ぶ貴重な機会です。すべての児童生徒がこの「学び」の機会を逸しないよう、国や自治体からの強力な支援をお願いしたいと思います。