喉元過ぎれば熱さを忘れる-あのコロナ禍の一時期の喧騒と静寂が遠い昔のことと思われるような昨今。コロナ禍も完全収束とはいきませんが、ようやく当たり前の日常生活が戻ってきました。
しかし、修学旅行において新たに困難な課題が出てきています。主要観光地での大混雑、各方面での深刻な人手不足と諸物価の高騰です。
混雑回避は、訪問地や実施時期・活動内容の変更などの工夫によってある程度対応はできます。しかし、費用の高騰は、自助努力だけでは解決できません。頼みとするのは、国や自治体による費用の公的支援です。
東京都葛飾区は中学生1人当たり8万円を上限とする修学旅行無償化の公的支援を発表し、小・中学校の校外活動費や副教材費も無償化。東京都では全区市で給食費無償化が実現する予定です。
修学旅行は諸外国にはあまり例のない、日本独特の教育活動であり、日本国民のほぼすべてが経験する旅の原点、優れた教育文化です。
私たちの協会は「教育性」「安全性」「経済性」が修学旅行実施の基本と考えています。資源小国の我が国にとっての最大の資源は人材であり、そのための教育施策は国の根幹をなすものです。
将来の日本、そして世界で活躍する若者たちのために、充実した修学旅行を提供してあげたいと思います。