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日P会長インタビュー~原点を忘れず議論を~ウェルビーイングを追究

2024年8月12日

今年6月開催された総会で(公社)日本PTA全国協議会会長に選出された太田敬介氏は、「予測が困難な時代の中で、必要とされるPTAであるために、私たちは問いを立て続け変化を遂げることが求められている」と語っている。昨年で創立75周年を迎えた歴史を踏まえると同時に、目指すPTAの在り方や進め方などの所信を聞いた。

日本PTA全国協議会 会長 太田敬介氏


-PTAの意味が問われる昨今ですが、これからの抱負を伺います。

「PTA離れと言われるが、PTAとは何のためにあるのか、原点から考える必要がある。75年前の創立当時を振り返ると、平和を守り民主的な教育を、子供のために保護者と先生方が信頼し合うなかで築いていこう、根付かせたいという決意から誕生したことがわかる。当時の文部省の『父母と先生の会-教育の民主化のために-』というPTA結成の手引書が作成されてからわずか1年で設置率7割に達したことからも、PTA創立時の熱意が伺える。時間が経つにつれ、その根本にある思いが忘れられ、今はカタチだけが残っているように思える」

「家族のルールに例えると、きょうだいが手分けして忙しい親のお手伝いとしてお掃除をすることにルールを決めたとする。何か月かする中で誰かが、部活や宿題で忙しく当番をさぼることが増え、もめごとやケンカになり、やがて誰もお手伝いをしなくなってしまった。これはルールだけが1人歩きして、『親の手伝いをする』という本来の目的を忘れたから。最初の原点に戻って、どうしたら親のお手伝いを続けることが可能なのかについて、きょうだいが話し合わなくてはいけないところなのに」


-何のためにPTAがあるのかを問い直すことですね。

「PTAの目指した平和で民主的な教育は、当初の目的はある程度は果たせた。その過程で学校と家庭、教師と保護者を結んできたPTAの役割は大きかったし、そのことには胸を張って良い。学校と家庭の信頼関係を築いたことに間違いなく、これからもそのことに変わりはないはずだと思う」

「PTA活動は、1人の100歩より100人の1歩。1人では小さな力でもみんなの力を合わせることで大きな力になるのがPTAの在り方ではないだろうか」


-PTAの在り方をどのように考えますか。

PTAには、役員選出や会議の開催方法、在り方等、様々なことがルールとして定められているが、それらすべては、定められた時にそれなりの理由があったはず。現在はその理由が忘れられルールだけが残っている。委員・役員は1年務めると大体が交代するので、その理由を考えたり皆で議論することなくルールだけが引き継がれているように思える」

「ルールを見直すことよりルールの存在が負担で、止めてしまう方向に流れがちなことはとても残念。負担だから止めよう、ではなく子供たちのためという目的のためそのルールが必要か、変えるべきか、民主的に盛んな議論を行ってほしい」


-近づく第72回日P全国大会のポイントは。

「大会スローガンは『ウェルビーイングの実現』。これまで私たち自身が活動を通じて自分たちの幸せや満足感について、議論が足りていなかったと思う。ぜひ大会では参加者各自が考え、そこを深めてほしい」


-ありがとうございました。

第72回日本PTA全国研究大会・川崎大会=8月23・24日、「ウェルビーイングの実現を、川崎の地から~活かそう『縁』の力~」を大会スローガンに、川崎市とどろきアリーナで開催。

初日は開会行事、全員で聴く全体基調講演や日P・文科省からの行政情報の発信、セッション「今日的課題・社会教育」。2日目は「家庭教育」、「学校教育・地域連携」の2つのセッションとウェルビーイングをテーマにした記念講演。

 

教育家庭新聞 夏休み特別号2024年8月12日号掲載

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