本県では市町村と連携して1人1台端末の整備を行い、2021年度当初の時点で、ほとんどの公立小・中・高等学校等の生徒に端末が行き渡りました。当初は学校現場での混乱もありましたが、2年足らずの間に、端末は文房具のひとつとして定着しました。
ICT利活用を進めていくためには、県教育委員会、市町村教育委員会、学校現場の三者がしっかりと連携していくことが必要です。本県では、三者の代表で構成されるICT教育推進研究協議会において情報を共有しながら、施策の充実に取り組んでいます。
その取組の一例が、今年度、市町村立小中学校18校、県立高等学校5校をモデル校として実施した、「ライフ・ログ」の利活用研究です。これは、児童生徒が毎朝その日の気分や体調等を入力し、それを見た教員が、必要に応じて支援の手を差し伸べるものです。いじめや不登校の兆候の発見といった効果は当初の想定どおりでしたが、各学校によるカスタマイズを奨励したため、教育委員会として、現場のニーズを把握することに大いに役立ちました。
ICTは、学校が従来から目指してきた、一人ひとりの子供が主語となる学びづくりを加速させる有効なツールです。その方向に向かって、引き続き三者の連携を密にして、学校のICT利活用推進に係る施策の充実に取り組んで参ります。