昨年度から続くコロナ禍だが、「こういう時こそ活動の歩みを止めるべきではない」と語るのは(公社)日本PTA全国協議会(=日P)の会長・清水敬介氏。昨年度から引き続いて就任2年目となる今年度の、重点方針や会員に向けたメッセージを聞いた。
「開催予定だった夏の日本PTA全国研究大会(富山大会)は中止せざるをえず、秋からの各地区ブロック大会もほぼ中止・延期の状況だった。その中で近畿(京都)・関東(栃木)両ブロック大会は、このような困難な状況の中でオンライン配信によるハイブリッド型を研究し、開催していただいた。これは他ブロックからも注目され、今後の一つの在り方という意味でも大きなことだった」
「一方、国内研修・国際交流事業が、2年続いて中止となり、消化不良で終わってしまったことは残念なこと」
「多くの活動が制約を受けた中でも、昨年度終盤のころから全国の64協議会それぞれから『歩みを止めるべきではない』という機運が高まってきたことを感じた。今年度引き続いて会長を拝命するにあたり、『こういう時こそ、歩みを止めない』、そのために今やれることは知恵を絞って取り組んでいく。実践できることがあれば少しでも全国に発信することなのだと、昨年度の経験から感じた」
「昨年度から新たに、日P役員経験者等OBの知見を活かしてもらうため『諮問会議』を創設した。常設の専門委員会とは別の諮問機関で、議長を置き今日的な諸課題をタイムリーに話し合い提案してもらっている」
「教育問題ワーキンググループ(WG)、規定等整備WG、新型コロナウイルス感染症対策WG、組織の在り方プロジェクトチーム(PT)に分かれて検討。ここからの提案で実行されたことの一つが、中教審の令和3年1月答申の内容を会員のみなさんにも分かりやすく6分で解説した動画。今年7月27日にアップしたばかりで現在、日Pホームページから視聴できるので是非見てほしい」
「答申が示す『令和の日本型学校教育』は新しい学びの姿をしめす大変重要な内容。1人1台端末やICT教育、GIGAスクール構想などの新しい教育がすでに始まっている。800万会員全てが知っておくべき。それらの情報は全ての会員が共有するべきものだと考える」
「千葉県八街市で起きた児童5人の死傷事故がきっかけ。事故に遭われたお子さん、ご家族にお見舞い申し上げます。このような痛ましい事故が繰り返されないよう今後に向けて、私達PTAが連携して出来ることにしっかり取り組むことが重要と思う」
「地元で個々の単位PTAの取組が基本になるが、日Pはこれをまとめて声を上げることで大きな力になる。そこに日Pが存在する意義があると思う。今年度は様々な提言を取り入れながら、内容をスピーディーに検討し早いうちに声を上げるようにしたい」
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年8月16日号掲載