埼玉県教育委員会は、コロナ禍における県内の全公立小・中・義務教育学校(小学校702校、中学校355校、義務教育学校1校)の学習状況や教育指導の状況、ICTの活用状況などについて2020年度中に3回調査を実施した。
小学校では「全ての教員がICTを活用している」と「8割程度の教員が活用している」の合計が80%を超えたのに対し、中学校では50%に留まった。ICT活用の課題としては「教員の活用能力の差が大きい」と回答した学校は80%以上。「ICTの研修が不足している」学校も70%以上にのぼる。
コロナ禍における教育指導については、大半の学校が授業ペースを速めることで年度内に指導を終える見込みとなっていたが、そのため児童生徒の学習の定着が十分でないことが懸念される。また、多くの学校が「実験・実習等が制限されることで、実感を伴った学習内容の定着が十分でないこと」、「年度当初に考えていたよりも、主体的で対話的で深い学びの機会を持てないこと」を課題としている。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年6月7日号掲載