文部科学省は毎年行っている全国学力・学習状況調査(学力テスト)の結果を7月末発表。3年ごとに実施する理科に関するアンケート調査からは、興味関心を喚起する授業の工夫をした学校ほど理科好きの子供が多いことが分かった。また実験・観察を取り入れるなど指導方法の工夫・改善を行った学校はどの項目も前回調査に比べ増えている。
学力テストは平成19年度に始まり、今年は4月に実施され全国の小学校6年生、中学3年生が対象。国語と算数・数学は毎年、理科は3年に1度の頻度で、前回は27年度だった。
理科の勉強が好きかという質問に、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」などの肯定的な回答の割合は、小6で83・5%、中3で62・9%だった。前回と比べて小6は変わらず、中3は1ポイント多かった。授業内容が良くわかるかを質問すると、小6の89・4%、中3の70・1%が肯定的な回答。前回より小6で1・5ポイント、中3では3・2ポイント増えた。
理科の勉強が大切だと思うかの質問に、小6は85・4%、中3は70・9%が肯定的な回答。小6は前回より1・6ポイント減り、中3は1・2ポイント増えた。将来役立つと思うかとの質問でも、前回と比較すると小6は1・6ポイント減少し、中3は1・5ポイント増加した。
指導方法について「児童生徒の好奇心や意欲が喚起される工夫」をしたのは、小学校で96・1%、中学校で97・6%と高い割合。さらに小中共に「観察や実験の結果を分析し解釈する指導」、「理科室で観察や実験をする授業(1クラス当たり小は月1回以上、中は週1回以上)」に加え、小学校では「観察や実験におけるカードやノートへの記録・記述の方法に関する指導」、中学校は「実生活における事象との関連を図った授業」について9割以上が行った。
その他も含め全項目で肯定的回答が前回調査より増加。授業の改善・工夫に取り組んでいる。
授業の工夫をしている小学校と理科好きの児童をクロス集計した結果では、「好き」「どちらかといえば好き」と答えた児童が「よくしている」学校で84・8%、「どちらかといえばしている」は82・9%、「あまりしていない」は80・4%だった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年8月20日号掲載