東海大学付属相模高等学校(神奈川県)では、屋内体育館における熱中症対策として大型送風機「100㎝ビッグファン『BF―100Ⅴ』」((株)ナカトミ)を昨年夏から導入している。バスケットボール部が4台、バレー部が2台、剣道部が2台使用し、計8台が稼動。男子バスケットボール部顧問の原田政和教諭は、「休憩中に側で風に当たると速く汗が乾くので、体温上昇を防げる」と導入のメリットを語る。
同校の体育館は4階の窓がブラインド式になっている。カーテンが無いため、窓を開けると時間帯によっては強い光が1階のコートに差し込む。「バスケットボールやバレーボールは競技の特性上、日ざしや強風のある環境は良くない。窓の開閉を調節し、ビッグファンを上手く活用することで、体育館内の環境を整えることができる」
バスケットボール部ではコートがある階の四隅にビッグファンを設置。生徒が走り込まない位置を考慮し、コート内に向けて風を送るようにした。夏場の部活動中は10~15分程の間隔で休憩時間を取っており、ビッグファンの側で風に当たるように伝えている。生徒からも「涼しい」と好評だ。耐性もあり、ボールがぶつかった程度では動じないことも安心感につながっている。
活動時間の長さを考慮し、現在は高校が使用する体育館のみ設置しているが、中学校の教員からも設置を検討したいという声が聞かれるようになった。中学校では三脚の送風機を設置しているが、ビッグファンの方が格段に風量が多いという。
運転音が今よりもさらに小さくなれば、体育館で行う全校集会などへの導入も検討したいとしている。
「ビッグファン」シリーズは、学校での使用を想定し安全に配慮された全閉式。サイズは直径60㎝、75㎝、100㎝、125㎝の4種類を提供している。取っ手・キャスター付きのスタンドで、移動や倉庫からの出し入れがしやすいため、生徒だけでも短時間で準備ができる。上下方向の角度調節も可能なため、設置場所の幅が広がる。
単相100V電源の家庭用コンセントでも使用できる手軽さで、電気代も50Hzで1時間あたり約4~15円。DCモーターを採用し、運転音を最小限に抑えた。
同社では「ビッグファン」シリーズの他に、学校における熱中症対策としてウォータークーラーや製氷機、冷凍冷蔵庫なども提供している。児童生徒の熱中症発症時に必要な備品をそろえた「熱中症応急処置キット」は、ショルダーバッグ式で持ち運びに便利。部活動や保健室での導入が進んでいる。
▼詳細=www.nakatomi-sangyo.com/TEL026・245・3105
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年7月23日号掲載