学習者用デジタル教科書導入本格化に向けた課題を解決するため、9月6日、「こども未来教育協議会」が設立した。設立時参画企業は凸版印刷(10月1日よりTOPPAN株式会社)・BPS・Lentrance・東京書籍・帝国書院・啓林館。さらに他の教科書会社・ビューア提供会社にも参加を募っており、本格稼働である2024年4月には10社程度でスタートを切りたい考えだ。
本協議会設立の第一の目的は、教科書ポータル「EduHub(TM)(エデュハブ)」の構築にある。
学習者用デジタル教科書の導入に際して1人ひとりのID登録・管理や複数教科書・教材へのログインの煩雑さを解決するための仕組みを構築する。
「EduHub(TM)」は、協議会の参加企業の協力を得て凸版印刷が開発する。凸版印刷は、同社が開発・提供している小中学校向けICT学習サービス「navima(ナビマ)」を複数の学習eポータルと連携させており、そのノウハウを新ポータル構築に活かす。主な目的は、教育委員会や教職員による初期登録負荷や教科書会社の作業を軽減することにある。
各校では今後、学習者用デジタル教科書を複数導入するケースが増えるだろう。その場合も、GIGA端末にログインするIDを使用してユーザ登録作業は1回で終了できるようにする。さらに他サービスとの連携も想定している。
児童生徒のマイページ画面上に各社教科書・教材を一覧して遷移できる仕組みを想定。
問合せ窓口も一本化する。
本仕組み利用に関して教育委員会・学校の利用料は無料だ。
このほか、こども未来教育協議会として以下の活動を考えている。
・教育DXに関わる提言活動及び実証研究
・デジタル教科書・教材の利便性向上に向けた協議
・教育CSRに携わる企業との連携
写真左より
<BPS株式会社 渡辺 正毅 代表取締役>
多くの教科書・教材が整然と学校に提供され、有機的な学習環境が構築されることを期待し参画致しました。超教科書の機能向上と共に、こども中心の世界を実現すべく活動させて頂きます。
<株式会社Lentrance 石橋 穂隆 代表取締役社長>
「こども未来教育協議会」の設立が、教育DX推進の鍵となり、こどもたちの学びの未来を支える環境が整備されることを期待しています。Lentranceは教育ICTプラットフォームを提供する企業として協議会に参画し、デジタル教科書・教材の普及と教育DXの推進に貢献してまいります。
<東京書籍株式会社 渡辺 能理夫 代表取締役社長>
こどもたちの学びのそばには、いつも教科書がありました。これからは、デジタル教科書がこどもたちと世界をつなぐ、玄関の役割を果たすことが期待されています。私たちは、こどもたちの未来を切り拓く「新しい学び」を支えてまいります。
<株式会社帝国書院 佐藤 清 代表取締役社長>
“こどもたちの未来”のために、各社が業界の垣根を越えて協働することで、教育DXの新たな道が拓けると考えます。私どもは、「こども未来教育協議会」の一員として、デジタル教科書を基軸とした“新たな学び”の創造と教育の発展に貢献してまいります。
<株式会社新興出版社啓林館 佐藤 諭史 代表取締役社長>
教育DXが進む中で、業界の垣根やライバル関係を越えて様々な技術や知見を生かしたエコシステムを協働で構築し、競争しながらも、持続可能な顧客サービスを提供していくという考えに共感して参加させていただきました。私たちは、「こども未来教育協議会」を通して、新たな学びを支援してまいります。