3歳から中学生までがプログラミングを競う「初めてだって楽しめる!プログラミングコンテスト 第2回ドコモ未来ラボ」の最終審査会と表彰式が3月22日、都内のドコモR&Dオープンラボお台場で開催された。当日は、応募総数2056作品のうち「未就学児の部」「小学校1~3年生の部」「小学校4~6年生の部」「中学生の部」それぞれのファイナリストが各4人プレゼン。マイクロビットやビスケット、スクラッチやレゴ、3Dプリンターなどを用いた作品は愛と夢、ユニークさにあふれ工夫が凝らされており、会場の参加者と審査員を感動させた。
審査の結果、グランプリは「みらいのまほうどうぶつえん」(未就学児部門)に決定。作者の高鷹迅さんは「うれしすぎて地球を飲み込んでしまいそう」とコメントした。
動物を言うと画面に動物が表れて自分が動くと動物も動く「まほうのどうぶつえん」を実演している高鷹迅さん
グランプリを獲得した「みらいのまほうどうぶつえん」について高鷹さんは「好きな動物を言うと、画面にぼくが描いた動物が表れ、僕の動きに合わせて動物が動きます。動物の名前を言うだけで遊べるので僕より小さい子でも楽しめます」と説明して実演。審査員が「自分より小さい子でも楽しめるという発想が素敵。どのように思いついたのか」と質問すると「そのほうが楽しいからに決まっているでしょう」と笑顔で答え、会場を魅了した。
本コンテストの審査基準は「固定概念にとらわれない発想力」「プログラミングを通した表現力」「未来への期待感が感じられる未来力」の3つ。部門ごとに「最優秀賞」「発想力賞」「表現力賞」「表現力賞」「未来力賞」を決定した。各部門の最優秀賞を紹介する。
■未就学児部門 「みらいのまほうどうぶつえん」高鷹迅さん(グランプリ)
■小学校1~3年生の部「花火で花をいっぱい咲かせよう」池田裕樹さん
様々な花火がランダムに上がり、雨のように地上に落ちて色とりどりの花を咲かせる
戦争が長く続いており、悲しい思いをもつ家族や子供だちが少しでも楽しい気持ちになれるようにという願いを込めて作成。ボタンを押すと様々な花火がランダムに上がり、それが雨のように地上に落ちて色とりどりの花を咲かせる。審査員は「花火や花の多彩な色や形、数の多さに作者の優しい気持ちや平和への願いが表れており感動した」「徳川家康が、戦争が起きないように花火を流行らせようと考えたといわれていることを思い出した」とコメントした。
■小学校4~6年生の部「旅するフローティングハウス」根岸暖さん
魚釣りが大好きな根岸さんが、海上で自給自足できることを目指したフローティングハウスを考案。発電の仕組みや真水を海水から作るしくみ、野菜や魚を育てるスペースなどを盛り込んだ。海水による真水の生成も実験してプログラミングに反映。3Dプリンタを用いて様々な機器も設計・製作したうえでハウスの設計に反映した。根岸さんは「マレーシアに海上で暮らしている人たちに聞けば実現できるのではないか」とコメント。実現の本気度が作品に現れていた。
■中学生の部「アルファベット列で作曲するアプリ」若狭裕人さん
音階や曲調、キーについて学びつつ選択したうえでアルファベット列を用いて作曲できる
音楽理論なしで簡単に作曲を楽しめるアプリができないかと考えてアルファベット列を用いた作曲アプリを考案。実際に作曲してみると「音楽理論なしだと曲としての成立は難しい」と考え、音階や曲調、テンポ、キーについて学びつつ選択し、最終的にアルファベット列を用いて作曲できるように工夫。「アプリを使用することで作曲をもっとしたいと考える人が増えた」と調査結果も報告。調査によりエビデンスを示すことは学校の授業で学んだという。
このほか、サイバー犯罪の証拠発見などを体験するなどでセキュリティの本格的な知識を学べるアプリ、お金やお札を自動で判別・仕分けする機器、食事マナーを注意してたり学べるアプリ、自動で炊飯し、おにぎりを作ってお皿にセッティングする機器、調味料の残量を出先で確認できるアプリなど、身近な課題を解決しようとする多彩な作品が発表された。各作品の紹介動画は後日、ドコモ未来プロジェクトサイトに掲載予定。
コインもお金も自動判別する機械はカラーセンサー等で判別する仕組みを工夫。大好きな「さめ」のひれを飾りにつけた「仕分けジョーズ」(小学校1~3年)
■本コンテスト審査員 石戸 奈々子(慶応義塾大学教授)/西村 真里子(株式会社HEART CATCH代表取締役)/原田 康徳(プログラミング言語ビスケット開発者)/寛司久人(株式会社NTTドコモ)(敬称略)
本コンテスト審査員