9月1日、設立したデジタル庁は、7月に実施したGIGAスクール構想についての調査結果を公表した。総回答26万件(大人4・2万件/子供21・7万件)と多くの協力があり、 本調査により「ネットワーク回線が遅い」「端末を持ち帰れない、使う授業が限られている」「教科書をデジタル化してほしい」「教職員端末が未整備もしくは古い」「効果的な活用事例がほしい」「教職員へのICT活用サポートがほしい」という意見が多く集まった。
調査内容は教育関係者・保護者及び児童生徒。今回、国がデータを提供し、AI等に よるテキスト解析の技術を持つ事業者との共同プロジェクトとして分析した。
学校のネットワーク環境の改善や教職員端末の整備・更新 など、今後引き続き検討を深めるべき事項や、フィルタリングの制限など賛否両論のある事項が明確になった。本調査で収集した現場での工夫事例も紹介。
児童生徒向けの質問は3問。教育関係者向けの質問は9問。
タブレット端末で困っていることについて質問。
小学生の4割は「操作方法・リテラシー」と回答。中学生で最も多い課題が「回線速度など通信環境」。
高校生も「操作方法・リテラシー」への課題が最も多いものの、“OSの 違いによる操作性“等、悩みが高度になっている。また、“そもそも端末を持って いない“層もここに含まれている。2つの設問それぞれについて、記入率は小中高いずれも7割超だが、文字数をみると10文字未満が非常に多く、 「特になし」などの実質未回答が一定割合
自由記述式の回答内容から単語を切り出し、上位60位までの単語について分析を行った結果、小学生は「入力に困難を感じる」傾向が高い。中学生は「サイトのブロック、規制、利用制限等」に課題を感じている傾向。高校生は「接続や通信環境」であった。
タブレットをもっと使う上で大切なことについて質問。
小学生のうちは、自らがモラルを守ること を重要視している回答者が多い。
中高生は学年が上がるにつれ、モラルを守ること を重要視するコメントが減り、活用機会 の増加を求めるコメントが増えていく。
自由記述のAI分析によると、小学生・中学生では、ルール設定に関するキーワードが多く、次いで授業での利用、先生の指 示、と続いた。
高校生では、授業や学習のタブレット利用に関するキーワード、次いで通信環境のキーワードが 多くみられた。
端末活用に向けた課題について質問。
教職員はネットワーク環境や指導方法に関する課題を感じている一方、保護者は学習以外の目的でのタブレット利用に対する懸念を抱いている。
学校その他の関係機関で課題に感じることについて質問。
これについては書類・調査のデジタル化に対する課題感が最も多い。
教職員からはタブレット活用推進に当たり、ネットワーク等の現場の体制が整っていない懸念が、保護者からは学校全体の教育方針や連絡手段がデジタル化されておらず電話や紙ベースである課題が、多く挙げられた。
単語分析によると、教職員と保護者では「家庭」「時間」などの単語が共通して多く見られ、家庭でのタブレット使用時 間が課題があると考えられる。
教職員の特徴として「環境」「指導」という単語が多く見られ、環境整備の課題、指導方法に関する 課題があると考えられる。
保護者からの回答には「YouTube」という単語が多い。また「心配」という単語が多く出されている。
・端末のスペックが低い。
・制限がかかりすぎていて学習に使える サイトが限られている。
・検索に制限をかける。
・学校から持ち帰れない。
・ネット回線をちゃんとしてほしい。
・重い ・持ち帰りが難しい ・机のスペースを圧迫する
・慣れてないから操作が難しい
・便利なものはどんどん使わせてほしいです。失敗することも学びだと 思います。失敗する前から禁止にされていて活用できません。
・先生たちの考えはわかるけど、制限をかければいいと言うわけではな いと思う。
・少し、私たちのことを信じて、せめて休み時間くらいは、自由にパソコ ンが使えるようにしたり、もうちょっと授業で使う回数を増やしたほうが いいと
・タブレットを使った意見交流、意見発表などを5教科などで使うといい と思います。
・紙には紙のいいところがあるし、タブレットにはタブレットのいいところがある。そのどっちもを有効的に使うこと。 無理にタブレットでしようとする必要はないと思う。
・なんでもタブレットに頼らないように、使った方が良い時は使う使わなくてもいい場合はタブレットを使わなっ かったりそういう区別することが大切だと思う。
・タッチペンを使いたい。
・先生より得意な子供をリーダーにしてみんながマネをする と上手くなると思う。 ・先生は一人しかいないから、使い方が分かる子が分から ない子に教えてあげたり、助け合うことが大切だと思う
・勉強のできるアプリが欲しいです。
・家庭学習で使えるシステムを作ること
・全学年の学習の方針を今までは先生による直接の指導が 軸になっていたと思うけど、これからの学習の方針をタブレットを 主体とした方針に切り替えて組み立てることが大切だと思う。
ほか