既に質問調査や中学校英語「話す・聞く」でCBT(情報端末を使った試験)により実施されている全国学力・学習状況調査(悉皆調査)。これについて文部科学省は7月8日、全国的な学力調査に関する専門家会議(第7回)、全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ(第3回)合同会議において、本年4月に決定している全国学力・学習状況調査及び質問調査のCBT化予定についての変更点を共有した。
それによると、令和7年度の本調査において生徒質問調査及び中学校理科のみCBTで実施する。中学校理科の実施日は学校単位で同一とし、ネットワーク負荷軽減のため日時を文科省が決める。
中学校の生徒質問調査は、中学校理科のCBT調査実施日に実施する。なお本調査について学校が慣れる目的から令和6年秋ごろにサンプル問題をMEXCBT上で取り組めるようにする。
令和8年度に予定されている全国学力・学習状況調査については、中学校英語をCBTで実施。前回は「聞くこと」「話すこと」をCBTで行ったが、次回は「聞くこと」「話すこと」計最大50分、「読むこと」「書くこと」計最大50分を予定。それに伴い中学校英語の実施日は学校単位で同一としネットワーク負荷を踏まえて日時を文科省が日時を適切に分散。
なお特別な配慮が必要な児童生徒への対応については拡大文字問題プログラム ・ルビ振り問題プログラム ・時間延長問題プログラムを提供。
点字の対応は、ICT環境整備やCBTシステムの機能拡充等について継続的に検討しつつ、当面は冊子方式で行う。
令和9年度以降は全小中学校において全教科でCBTに全面移行する。
今後のCBT化の工程表については今秋ごろに決定・共有し予算要求に反映する。
■CBT導入のメリット
CBTを導入することで解答データを機械可読のビッグデータとして蓄積でき、動画や音声、表計算機能等様々なツールを利用した試験が可能になる。
■IRTを導入
CBTと共に悉皆調査にもIRT(項目反応理論)も活用。IRTとは全員が同一の問題を解くのではなく、問題の難易度等に基づいて何種類かの問題セットを用意して比較できるようにする仕組み。
IRTの利用により、調査を異なる日時に実施しても同じ条件下での実施とみなすことができ、かつ年度をまたいで児童生徒の学力を比較することができる。
国的な学力調査に関する専門家会議(第7回)、全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ(第3回)合同会議資料