関西大学システム理工学部では、正規教育課程の一環として、本格的なAI人材を創出する「データサイエンティスト育成プログラム」(仮称)を2020年度4月から導入します。ビッグデータやロボットなど先端技術の急速な発達により、AI人材が不足している昨今、政府がAI戦略を推進するなかで、関西大学においてもAI・IoT時代のデータサイエンスのスペシャリストの育成に取り組みます。
このプログラムは、企業や高校とも連携しながら、高校・大学のデータサイエンス教育を柔軟に取り組むことが出来る教育システムです。まずは電気電子情報工学科にて導入し、20人程度の人材輩出を目指します。その後、対象学校を順次拡大する予定です。
1・2年次でデータサイエンティストに必要不可欠なコンピュータ科学の基礎と実装のためのプログラミング技術ならびにコンピュータサイエンス技術を習得します。3年次でAI・IoTをモノづくりに活用するための応用技術を磨き、4年次でプロジェクトチームによる開発体験や企業での開発インターンシップを通じて実践的なAI・IoT技術を習得します。
就職活動のためのインターンシップとは異なる、パナソニックの技術開発部門でのインターンシップ体験をできます。特別の秘密保持契約を結んだ上での業務体験ゆえに、実際のプロジェクトチームの一員として技術開発にあたるなど、実践的な技術を習得することが出来ます。2019年3月に4人の学生が体験し、「工場のネットワークの信頼度はどれくらいかを評価するため、ネットワークの攻撃を行った。通常の大学院ではできない経験だった」「設備の劣化を自動的に判断するAIの開発に従事。製造現場ので0田を実際に入手して分析し、開発するAIの需要まで予測することは大学ではできないので、非常に有益だった」とその感想を語っています。
2017年から、高校生向けデータサイエンスセミナーを開講し、大学教育の入門編としてAI人材の目を育てる取り組みも展開しています。入口教育として高校と連携し、実践編として企業との連携教育の取り組みは他になく、国内初の試みといえます。新しい、そして今後必ず必要となる人材育成に取り組むためのプログラム、注目を集めそうですね。