日本教育工学協会(JAET)は、第48回 全日本教育工学研究協議会全国大会 愛知・春日井大会「GIGAスクール環境の日常的な活用で実現する令和の学び」を2022年10月28日、春日井市内で開催する。事前申込締切は9月末。一部のプログラムは当日登録も可能。愛知県教育関係者・学生は資料代無料で参加できる(※公開授業、ワークショップは事前登録が必要。講演や討議等の全体会、研究発表は参加できる)。
リアルで開催されるのは川崎大会以来3年ぶり。今年度よりJAET会長に就任した高橋純教授(東京学芸大学)に、本大会の見どころを聞いた。なお2月のプレ大会(オンライン)KKSWebに掲載(https://www.kknews.co.jp/post_ict/20220307_4a)。授業公開校のうち3校の報告を掲載している。
8月末時点で400人以上の参加申込者があり、ハイペースで参加申込が集まっています。
本大会に向けて授業公開校の6校(小学校3校・中学校3校)は、1年以上前からJAET役員による支援を受け、授業改革に取り組んできました(※)。
本大会会場となる春日井市は1998年から校務の情報化に取り組んでおり、大型提示装置や実物投影機の活用など文科省方針に則り地道に進めてきた地域です。そんな土台のある学校が、情報端末の1人1台配備をきっかけに、クラウド活用を前提とした協働学習をどのように進めているのか、ツールがどう学びに良い影響を与え活性化していくのかを具体的に見ることができます(※JAETはパナソニック教育財団より支援を受けており、会場校への講師派遣等もその支援の1つ)。
昨年9月、市内小中学校5校の児童生徒1110人、教員89人を対象に行った調査によると、いずれも約9割が「端末を毎日使っている」と回答しています。端末配備は同年4月頃からですから、整備後半年程度で約9割が「毎日使っている」ことになります。
春日井市の学校の授業を見ていると、新しい授業アイデアや発想が次々と出ており、協働的な学びもスピード感をもって進んでいることがわかります。
特筆すべきは、教育委員会においても学校においても「規制が少ない」点です。教員や子供から出た新しいアプローチや発想を、誰かに止められたという話をほとんど聞きません。児童生徒はグループチャットも活用しています。
本市はすべてGoogle Workspace上で管理しており、チャットもすべて履歴が残ることを理解した上で安心して活用しています。この新しい仕組みを体験しなければ展開できない授業スタイルとなっています。
「新しい発想を止めない」ことは個性の重視につながります。
これは「資質能力の育成」に深く関わるものです。
なぜなら資質能力はその人の一生に関わるものであり、ハウツーのみで育成できるものではなく、様々な創意工夫や個性が深く関わるからです。それを活かすためには、教員や児童生徒1人ひとりの思いを邪魔しないこと、即ち規制をしすぎないことが重要になります。
これからの新しい学びのスタンダートを全校に広げるべきであるとして、公開授業校でもある高森台中学校と出川小学校は2022年度より文部科学省研究開発学校の指定を受けています。次の学習指導要領の準備が、既に始まっているのです。
本公開授業では、資質能力育成に関するそれぞれの教員や児童生徒の創意工夫や次の学習指導要領が目指す学びの一端を見ることができるでしょう。(続きは教育家庭新聞 教育マルチメディア号10月3日号に掲載)
事前申込締切は9月末。公開授業・ワークショップは事前申込が必要だ。申込者には事前に、参加証と資料が送付される。なお10月以降の申込は当日受付扱いとなる。