東武トップツアーズは4月21日、アレルギーヒアリングシステムを運営・管理をしているCAN EATと連携し、教育現場における食物アレルギー対応等の課題解決に向けて、同社システムをより活用した取組みを開始したと発表。
毎年多くの修学旅行を取り扱っている同社では、生徒へ安全で快適な旅行を提供するため、従来は個々人の機微なアレルギー情報を、紙ベースやExcelデータにて学校・食事取扱施設と連携し対応してきた。学校側では情報収集の負担、同社では個人情報のやり取りにおける情報漏洩リスクがあり、さらに、保護者・学校・旅行会社・宿泊施設間で何度も情報交換の必要性があり、学校や保護者にとっても多くの負担がかることが課題とされていた。
これらの課題に対応するため、結婚式場やレストランでの利用に特化していたCAN EAT社のアレルギーヒアリングシステムを、教育旅行関連業務での使用に向けたシステムへ改修すべく同社と協議し、学校より配布されたQRコードから、保護者が子供のアレルギー情報をPCまたはスマートフォンで入力することを基本とするシステムとして、2024年より順次導入した。現在までに60校での導入実績がある。
一度に必要な情報収集が可能で、保護者から学校、学校から旅行会社、旅行会社から宿泊施設との間で何度も該当情報のやり取りを行う必要がないため、学校側では、個人情報の回収・聞き取り業務から解放されるほか、情報のデータ化業務が不要となり、入力漏れや誤入力の懸念からも解消される。
また、入力期限内であれば休日、通勤中などの空き時間にPCやスマートフォン等から入力できるため利便性が向上し、個人情報漏洩のリスクも軽減されるなか、修学旅行等のアレルギー調査での確実性が確保され、生徒の安心で安全な旅行に資することができる。
学校における食物アレルギー調査は、修学旅行時のみならず入学時や進級時など複数回行われ、アナフィラキシーなど食物アレルギーの事故防止のためにも実施されているが、この調査にも教職員の業務負担など多くの課題が残されており、両社はこれを新たな解決すべき課題として認識している。今後、▽全国のすべての学校におけるアレルギー調査のDX化▽基礎自治体向け学校給食情報のDX化――についても両社で協議し、その課題解決に資する取組みを進めるという。