日本大学豊山女子高等学校は、アントレプレナーシップ教育の一環として、板橋区の課題をSDGsの視点からドローンで解決する取り組みを行っており、3月12日、板橋区役所本庁舎にて「研究成果発表会」を実施した。当日は同校の探究ゼミ「ドローン部」の1・2年生19人が参加して発表を行った。
同校の取り組みは、ドローン・ロボットソリューション開発などを手掛けるブルーイノベーションが2023年からサポートしている。
初年度は、学校が所在する板橋区の地域課題に取り組んだ。生徒たちは、SDGs(持続可能な開発目標)に関心を持ち、物流や環境課題に関するアイデアをチームで検討し、解決策を企画書としてまとめた。これにより、生徒たちは社会課題の解決に向けた創造的な思考を育んだ。
2024年度は、実際にドローンを活用した実証実験を行い、アイデアを具現化。実験に向けて、生徒たちは「実証実験計画書」の作成に取り組み、初めての計画書作成に試行錯誤しながら、同社のサポートを受け、チームで協力し作成した。
また、新1年生は、「環境」という共通テーマを決め、一人ひとりで課題設定を行い、ドローンを用いて板橋区の獣害問題、野良猫の保護問題等を解決するソリューション企画をまとめた。
坂の多い板橋区で、高齢者や子供連れの方の買い物時の負担軽減を目的に、ドローンによる配送サービスを提案した。
実験では、ドローンは荷物運搬の時間を短縮し、上昇移動に適していることが確認された。一方で、荷物の積み込みや受け取りに慣れが必要で、商品選びや離着陸場所の確保が課題として挙がった。
板橋区を含む全国の万引き被害対策として、ドローンを用いて万引き犯を追跡する提案した。
実験では、ドローンのスマートトラック機能を使い、逃走者の追跡を検証。似た服装の人物とすれ違った際に追いきれない結果となったが、高精度のカメラを使用することで改善できる可能性を示した。またドローンの音が逃走者に気づかれるリスクがあることも指摘された。
成果発表会にコメンテーターとして参加した板橋区立教育科学館学術顧問の池辺靖氏は、同校の取り組みを「ドローンという新しい科学技術を、それがもつ便益とリスクとを十分に理解したうえで、私たちが安心して使える『道具』にまで昇華させることと言える」とコメント。また、一社・日本UAS産業振興協議会の青木義男顧問は、「高校生の視点で現状の物流やモニタリングシステムに対しての優位点と課題を的確に考察している点が優れている」と評価した。
▶︎実証実験の様子(動画)