千葉県柏市は昨年10月から今年2月まで、いじめや不登校、児童虐待やひきこもりといった子供に関する悩みを学校内で早期発見・解決する取り組みとして、生成AIを用いた悩みチャット相談システムのモデル実証を、市内のパイロット校(小学校・中学校)で実施した。システムの提供と運用を担当したZIAIがこのほど、実証結果の概要を公表した。
これまで自治体の福祉相談において100万人以上の市民に公開/運用されてきた「悩みチャット相談システム」をパイロット校(小・中学校からそれぞれ1校を市内から選出)にて開放し、生徒が24時間いつでもどこでも悩みを相談できる体制を整備。
実施期間:2024年10月21日〜2月10日
対象:市内パイロット校(小学5年生〜中学3年生)
同システムは、悩みを吐露して傾聴・共感体験を得ることによるストレス緩和に加え、必要があれば現場の教員やスクールカウンセラーに繋ぐことで課題の早期発見から初期対応まで実施することに重点を置いている。すでに高等学校では実証事例があり、同システムの傾聴AIに相談したことをきっかけに、不登校・自殺予防に繋がる事例も出ている。今回は小・中学校におけるモデル実証を通して、有効性の検証を行った。
【実証結果ハイライト】
※柏市では、GIGA端末を通して、平日8:00〜22:00の間で外部カウンセラーに相談可能な仕組みを整備済み
【生徒の声(原文ママ)】
モデル実証結果を受けZIAIは、「AIは先生やカウンセラーに取って代わるものではなく、あくまで初期接点として機能し、必要に応じて適切な支援へと繋げる役割を果たす可能性を示している」とし、今後、AIアルゴリズムとシステムの継続的改善や生徒への最適な周知方法の模索・改善、より多くの教育委員会・学校での導入支援に取り組むとしている。