食品メーカーやレシピ動画メディア運営会社など15社が参画する「ツジツマシアワセ」プロジェクトは、気楽に栄養バランスを整えられる「ツジツマシアワセ」を普及することで、生活者のWell-being向上を目指すことを目的に、「ツジツマシアワセ」プロジェクト発表会を3月18日に開催した。
「ツジツマシアワセ」とは、1食で栄養バランスを完璧にするのではなく、その前や後の食事でゆるやかにツジツマをあわせればよいという新しい考え方。メニューには健康寿命延伸に関連する4つの栄養素・食材に対応した「ツジツマシアワセ」マークを表示。栄養素のことをよく知らなくてもわかりやすく栄養バランスのツジツマあわせを実践できる。
「毎日の食事の中で栄養素をバランスよく摂取することはとても重要。一方、栄養バランスを考えて食べること自体が、忙しい現代人にとって日々の重荷となっている側面もあるのではないか」と“楽しく栄養バランス普及”プロジェクト事務局メンバーで味の素㈱の山口卓也氏は問題を投げかける。
山口氏は「『ツジツマシアワセ』プロジェクトは、そんな重荷を軽減しつつ、好きなものを好きな時に食べて幸せになることを肯定し、偏った栄養バランスは前後の食事でツジツマをあわせればよい、という手法『ツジツマシアワセ』を提唱する。そうした活動を通して、こころとからだが満たされた健康的な人生の実現をサポートしたいと考える」と語る。
(公財)Well-being for Planet Earth代表理事の石川善樹氏は「食事から見るWell-being」について動画で語った。「Well-beingは健康や一人あたりのGDPなどの『客観的Well-being』と生活満足度や希望などの『主観的Well-being』に分かれるとされるが、日本は主観的Well-being(生活満足度)がきわめて低い現状にある」という。
「世界142か国を対象とした調査では『調理が楽しかった』と答えた人は、調理を楽しんでいない人に比べて『Well-being実感が高い』と回答した割合が10%高かったと報告されている。そのため料理は客観的Well-being(健康度)のみならず、主観的Well-being(生活満足度)の観点からも期待できる」とし、まとめとして、「『ツジツマシアワセ』は栄養バランスの取れた料理が楽しくできることで日々の生活にWell-beingをもたらす可能性を提示しているため、私自身も期待している」とコメントした。
管理栄養士のおすぎさんは「栄養観点から見る『ツジツマシアワセ』の有用性について解説。「栄養バランスを毎日完璧にしないといけないという、栄養士の思い込みが、かえって栄養や健康へのハードルを上げている」と指摘。「人間の体は1日ごとにリセットされるわけではないし、毎日栄養管理を完璧にするのは難しい。1週間程度で栄養バランスのツジツマを合わせるのが最近の考え方となる」と語る。
「食事の目的は栄養素を摂取することだけではない。食事そのものや誰かと食事をすることを楽しむことが人生のシアワセになっている方も多い。栄養について難しく考えるのではなく、1週間単位でツジツマを合わせていくことで、栄養管理について多くの方に興味を持ってもらいたい。『ツジツマシアワセ』を取り入れて、無理なく・楽しく・健康的な食生活を送ってほしい」とコメントした。
「栄養バランスを考えた食事を毎日続けるのは難しいと感じる女性は約8割」「栄養バランスを考えることが面倒と感じる女性は7割」という生活者調査の結果を受け、「ツジツマシアワセ」プロジェクトのアンバサダーである俳優の速水もこみちさんは「毎日料理をする人の場合、食べてもらう人がまず何を食べたいかを考える。そして、食材を一食で使いきることは、なかなかないと思うので、余った食材で作り方やジャンルを変えたり、栄養のある食材をちょい足ししてアレンジするなど、冷蔵庫にある余った食材とも相談をしながら作っていくことで、料理の楽しさや食べてもらうことの嬉しさに繋がっていくと思います」と自身の見解を語った。
ゲスト登壇したタレントでモデルの近藤千尋さんの「3人の子供を育てているが、好き嫌いがあったり、その日の気分で食べたり食べなかったりムラがあるので大変。夫は食べる時間が不規則で栄養の偏りも気になる」という悩みを解決するため、「ツジツマシアワセ」プロジェクト参画企業の7社がメニューのプレゼンマッチを行った。
味の素は「えびとブロッコリーの和風炒め」、江崎グリコは「トマトと彩りピーマンのハッシュドビーフ」、キッコーマンは「ケチャップと生しょうゆで!タコライス」など栄養バランスのとれたメニューが提案された。
イベントの最後には「ツジツマシアワセ」メニューとして、「速水もこみち流ガパオライス」を、近藤千尋さんが実食。管理栄養士のおすぎさんから、メニューのポイントが紹介された。おすぎさんは「良質なたんぱく質源となる、お肉の中でも飽和脂肪酸が控えめな鶏ひき肉を使っているのが一番のポイント。脂質が控えめになると味の物足りなさを感じることもありが、風味の良い調味料や香味野菜が添えられていることで満足感があるメニューとなっている」と語る。
<プロジェクト参画企業>※順不同
【プロジェクトトップパートナー:9社】
味の素株式会社、江崎グリコ株式会社、株式会社エブリー、キッコーマン株式会社
株式会社明治、日清食品ホールディングス株式会社、エスビー食品株式会社
株式会社J‐オイルミルズ、ハウス食品株式会社
【プロジェクトパートナー:4社】
マルハニチロ株式会社、味の素冷凍食品株式会社、キユーピー株式会社
株式会社オレンジページ
【プロジェクトサポーター:2社】
株式会社BiPSEE、読売新聞東京本社