一社・日本損害保険協会はこのほど、高等学校の公民科・家庭科教員を対象に実施した「高等学校におけるリスクや損害保険の教育に関する実態調査」の調査結果を公表した。
2022年度から実施されている高等学校の公民科・家庭科の学習指導要領では、民間保険を含めた金融経済教育を実施することとしている。また、成年年齢の引き下げにより、高校在学中であっても親権者の同意を得ずに契約できるようになったことなどを背景に、同協会は、2021年度から、全国約5,000校の高等学校の公民科・家庭科教員を対象とし、損害保険に関する教育の実態調査している。4回目となった今回の調査は2024年12月~2025年1月に実施した。有効回答数は1,819件。
調査結果によると、損害保険に関する教育が「必要」または「ある程度必要」と回答した教員は89.0%。2021年度の調査開始以降4年連続で上昇しており、損害保険に関する教育の必要性が広く認識されていることがわかる。一方で、「損害保険に関する教育を実施している」と回答した教員は34.9%。 2021年度の調査開始以降4年連続で上昇してるが、損害保険に関する教育の必要性の認識と実施実態の乖離は大きく、 54.1ポイントの差がある。実施していない理由としては、「授業時間数が足りないため」が最も多い。
今後の損害保険に関する教育の実施に向けて重要だと考えられる取組みとして割合の高かった項目は「授業時間の確保」で59.9%、「副教材・ツールなどの充実」で46.0%、「教科書の記載内容の充実」で36.8%となり、この上位3項目は4年連続で同一となっている。
損害保険に関する教育の実施に向けて重要だと考えられる取組み
本調査結果では、損害保険教育の必要性を認識しつつも、教育を実施できていない大きな要因として、「授業時間が不足していること」が読み取れると同協会は分析。損害保険に関する教育の必要性を認識している教員が、授業で損害保険を取り扱えるように、短時間で扱いやすい教育ツールの提供や役立つ情報の発信を実施している。
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