山梨大学は3月17日、対話型の生成AIを活用して同学の研究内容について答える「山梨大学 学術論文対話システム」の運用を開始した。事前登録不要で無料で利用できる。
同学は文部科学省「オープンアクセス加速化事業」に採択されており、本取り組みはその一環。システムは日立製作所との共同で構築した。高校・大学生や企業、地域の人に同学の研究や取り組みついて知ってもらう機会となることを期待しているという。
研究者が執筆した学術論文の情報に基づいて生成AIが質問に答えるシステム。自然言語を用いた対話型検索が可能で、英語での質問にも対応している。利用者の属性・立場に応じた回答が可能。例えば、高校生や大学生が自身の興味のある分野に関して山梨大学でどのような研究を行っているかの検索について、わかりやすくその内容を回答する、地域の企業による山梨大学との共同研究に関する検索について、本学の研究内容を回答する、など。
本システムは、検索拡張生成(RAG:Retrieval-Augmented Generation)と呼ばれる技術を利用しており、これは質問に対する回答を、事前に存在する情報を利用して生成する自然言語処理の技術。本システムでは、山梨大学機関リポジトリ(NII(国立情報学研究所)が提供する(JAIRO Cloud)上で運用)の学術論文・博士論文に加えて、Webサービスである学術検索エンジン Google Scholar から本学教員名簿情報に基づいて取得した学術論文を情報源として利用している。このような構成のシステムは、世界でも極めて少ないと同学は説明している。