近畿大学とNTT西日本は3月5日、7月1日より証明書発行時の本人確認と認証にマイナンバーカードを使った公的個人認証サービス(JPKI)を連携させると発表した。これにより、卒業生に対するサービスの向上と大学側の業務効率化を図る。
両者は2020年11月に締結した「スマートシティ・スマートキャンパス」創造に関する包括連携協定の一環として、学生サービスの向上と学内業務の効率化に関するDXを推進している。
近畿大学とNTT西日本は、2016年に日本で初めて全国のコンビニエンスストアで成績証明書等の証明書を発行し、2022年には真正性を担保した電子証明書として就職活動時に企業に送付可能な「デジタル証明書」を全学で導入する等、DXを進めている。
今回、個人識別機能が搭載されているマイナンバーカードの交付数が80%を超えている状況を鑑み、セキュリティレベルの向上や卒業生の本人確認処理の効率化のため、各種証明書の発行業務にマイナンバーカードを活用することを決定した。
近畿大学では、学内システムへのログイン時の多要素認証の導入等、情報セキュリティの強化に注力している。中でも、個人情報が記載される証明書の発行は、本人確認の精度の高さが重要となっている。
現在、卒業生が証明書を発行するには、免許証等の本人確認書類をWEBにアップロードし、大学側で在学時の情報との照合が必要だが、このプロセスを、デジタル庁の提供する「デジタル認証アプリ(※)」を活用して公的個人認証サービスによる本人確認と認証を行うことで、本人確認書類の券面の偽変造による犯罪を防止し、利便性が向上する。
また、在学中にマイナンバーカードを使って公的個人認証サービスと連動し、卒業後に証明書発行サービスを継続して利用することも可能となる。
※デジタル認証アプリ:デジタル庁が提供するマイナンバーカードを使った本人確認を、安全・簡単に行うためのアプリ
今後、本取り組みにより卒業生に対するサービス向上を図るとともに、NTT西日本の「LinkU-ID認証連携サービス」(在学生・卒業生のIDと各種サービスを連携させる認証連携サービス)と公的個人認証サービスにより取得可能とされる基本4情報(氏名、性別、住所、生年月日)を連携させることで、大学と卒業生とのつながりを強化する環境整備やサービス提供を検討するとしている。