上智大学は2月21日、GXを牽引する人材を育成する「デジタルグリーンテクノロジー学科」を2027年4月、理工学部に開設すると発表した。
新学科では、多様なバックグラウンドを持つ世界中の仲間と地球規模の課題に挑む力を養うため、カリキュラムのすべてを英語で提供。データサイエンスやデジタル技術を基盤とした最先端のエンジニアリングを学ぶププログラムを通じて、変革を起こす次世代のイノベーターの育成を目指すという。入学定員は50人。うち、約半数は留学生を予定している。
データサイエンスやデジタル技術をカリキュラムの中心に据え、電気・機械・生物・化学など既存の理工学分野の複合的な学びを提供し、これからの社会でエンジニアリングに何ができるのかを体系的に学ぶ。データサイエンスの知識を他分野に応用することで、従来の枠組みを超えた新しい価値を生み出す力を育てることを重視する。
GXは世界共通の課題であり、英語で教育を行うことは国際社会で活躍するための準備として不可欠であるとの考えから、新学科は全てのカリキュラムを英語で行う。同学理工学部では、2012年に英語による学位取得が可能な2つのコースを開設しており、世界中から来日した学生たちが学んでいる。新学科では、これらのコース運営で培った知見やノウハウを最大限活用し、「英語で学ぶ世界基準の理工教育」を更に発展・拡充することでグローバルな視野を持った人材を育てる。
企業や自治体と連携したプロジェクト型学習やインターンシップ科目を通じて、データ駆動型アプローチによる課題解決の手法を学び、実社会で通用する問題解決能力を培う。卒業研究を必修科目とすることで低年次の学修内容を確実に定着させるほか、卒業研究への取組みを通じて検討すべき課題を自ら設定し解決する構想力も養う。
同学では、全ての学部が一か所に集うワンキャンパスの利点を生かし、文理の枠を超えた学びの場を提供している。理工学部でも、多様な専門分野の教員が連携し、学部横断的にカリキュラムを展開。AIに関連する講義では、神学から理工学まで多様な専門分野の教員が参加し、AIがもたらす社会的影響について議論している。学生は自身の専門分野を深めるとともに、他分野の視点や考え方に触れることで、幅広い視野を養うことが可能。新学科でも、専門性を深めつつ、異なる分野の知識を柔軟に活用する「複合知」を修得し、現代の複雑な社会課題に対応できるような学びの環境を整える。