LINEヤフーは2月17日、全国の小中学校教員、小中学生の保護者を対象に実施した「学校と保護者の連絡に関する実態調査」の結果を公表した。調査の結果、学校・保護者間の連絡における現状のデジタル化率は4割ほどであることがわかった。
調査は、20~69歳の、国公立の小中学校に通う長子を持つ保護者と国公立の小中学校教員を対象に、昨年10月にオンターネットを介して実施した。有効回答数は保護者3,008サンプル、教員889サンプル。
教員と保護者それぞれに、学校と保護者間の連絡手段を聞いたところ、現状、連絡時にデジタルツールを利用している割合(以下、デジタル化率)は、全体平均で教員では41%、保護者では46%だった。
連絡内容別のデジタル化率をみてみると、教員・保護者ともに、全体の中で最もデジタル化率が高い項目は「遅刻欠席早退の連絡」で教員55%、保護者63%、最もデジタル化率が低い項目は「面談の日程調整」で教員24%、保護者30%。
さらに、連絡内容別の「デジタル化希望と現状」の差分をみると、教員の各項目平均では27ポイント、保護者でも各項目平均19ポイントの差がみられ、両者において、デジタル化の希望と現状には乖離があるといえそうだ。
教員と保護者それぞれに、学校・保護者間の連絡において困っていることを聞いた。
教員で最も多かったのは「紙のプリントの場合、子どもが保護者に渡し忘れることがある」で77%(77.3%)、僅差で「電話の場合、日中に保護者につながらないことがある(勤務時間外になってしまう)」が77%(77.0%)で2位となった。3位は「保護者との連絡に時間が取られてしまう」で69%。
保護者で最も多かったのは「子どもがプリントを出すのを忘れることがある」で49%、次いで「電話だと日中に出られないことが多い」が47%。3位は「新しいアプリ・ツールを入れるのが面倒」で34%。
連絡において困っていることの割合は、教員の方が全体的に高い傾向。しかし、教員・保護者ともに上位2位の項目は同じで、プリントの渡し忘れや、電話がつながらない・出られないという共通の課題が見える。
教員・保護者それぞれに、現状使用している連絡手段の数と、希望について聞いた。
現状使用している連絡手段の数は、教員平均が3.2個、保護者平均が2.8個という結果だった。また、現在2つ以上の連絡手段を使用している教員・保護者のうち、「1つのアプリやツールへの統一」を希望する教員は87%、保護者は89%と高い割合となっている。
また、前述の「学校・保護者間の連絡において困っていること」の調査では、「現状のアプリ・システムでは、校務支援システムとの連携ができていない」54%、「アプリ・システムを使いこなせない教員がいると、使える教員に負担がかかる」50%など、デジタルツールに関する課題を持つ教員も半数以上いることがわかった。
この結果から、同社は、教員や保護者の負担を減らしていくためには、「なるべくアプリを増やさずに、誰でも使える簡単なシステムで、教員と保護者のコミュニケーションを網羅的にサポートできるツールや仕組み作りが求められているといえそうだ」と分析している。