デジタル人材育成学会は1月28日、「第2回デジタル人材育成大賞」と「デジタル人材育成大賞IPA特別賞」の取り組み・受賞者を発表した。2月25日に受賞者による記念セミナーを開催する。
「デジタル人材育成大賞」は、デジタル人材育成に携わる人々の意欲の向上と、さらなる活性化を目的として、デジタル人材育成の分野に貢献した企業等を表彰するため、2023年11月に創設された。デジタル人材育成の分野で特に顕著な活動を実施した企業、自治体、団体および個人を表彰している。
選考委員会による厳正な審査の結果、デジタル人材育成大賞は、「tsukurun」(群馬県)と「技育プロジェクトの推進」(サポーターズ)の2つの取り組みが受賞した。また今回から新設されたデジタル人材育成大賞IPA特別賞に「オール東京でのデジタル人材育成」(GovTech東京)が選出された。
群馬県ではデジタルクリエイティブ人材(DC人材)の育成に注力しており、その取り組みの一つがtsukurun(ツクルン)である。群馬県は前橋駅前などにtsukurunと呼ばれるDC人材育成のための場(拠点)を提供しており、小中学生を中心に1000名以上が会員登録している。tsukurunには学校の放課後や土日に多くの若者たちが集まり、デジタルアート作品やゲーム制作など最先端のデジタル技術を楽しみながら学んでいる。独創的かつ地域戦略として優れた取り組みである点が高く評価された。
株式会社サポーターズでは「技育プロジェクト」と称して、全国の大学生向けにエンジニア育成プログラムを展開している。国内最大級のカンファレスをはじめ、知識教育、プログラミング教育、ハッカソンなど多彩なイベントを開催しており、年間数百回に及ぶイベントで毎年数千人の学生を動員している。学生はすべて無料で参加できることもあり、学生間の口コミにより急激に拡大している。社会課題解決型プロジェクトとしての顕著な成功例として高く評価された。
一般財団法人GovTech東京では、東京都と協働で62区市町村(基礎自治体)のハブとなり、デジタル人材育成を推進している。具体的には、各自治体が自走できるための伴走支援や技術知識・仕様理解のための勉強会の開催、区市町村を交えた会議体を設置しての方針や数値目標、人材像の検討など、様々な施策を実施している。これらはまさに「オール東京」と呼べるものであり、広域自治体(都道府県)のデジタル人材育成のあるべき姿として高く評価。同学会は、今後も「広域自治体として何ができるか?」を常に模索して施策を実施し、他の範となることに期待するとしている。