函館工業高等専門学校では、生産システム工学科の「ヒューマンインタフェース」の授業で、TDCソフトが開発したUXデザインスターターキットを活用した授業を実施している。同高専での本教材を活用した授業は3年目。同社Webサイトではその導入事例を公開している。
本授業では、前期は人間の認知や記憶の特性、使いやすいインターフェースデザインの事例などを座学で学び、後期にはUXデザインスターターキットを用いた実践的な演習を行う。
学生たちは、学校生活の中で見つけた課題をテーマに、キットに沿って設計からインタビュー、評価、デザインまでを行い、UXデザインのプロセスを体験する。
UXデザインスターターキットは、小学生から大学生までを対象とした、デザイン思考のワークシート集。テーマや達成したいことに合わせてワークシートを組み合わせることができる。同社は2022年度から本教材を提供し、学生たちの学習を支援。毎年、授業での活用状況や学生からのフィードバックを収集し、キットの内容を継続的に改善している。3年目となる2024年度は、アウトプットチェックシートと、ユーザーインタビューのワークショップを新たに導入し実践した。これにより、学生たちは、ユーザーの潜在的なニーズを的確に捉え、よりユーザー視点に立った課題解決ができるようになった。
同高専の小山慎哉教授は、「(本教材は)学生がユーザー像を明確化し、深掘りインタビューを通して潜在的なニーズを引き出すのに役立っている。特に、言語化が難しいユーザーのニーズを明確にするためのインタビュー手法は、学生にとって貴重な学びとなっている」と述べる。また教員にとっても、授業の準備や演習の進行がスムーズになり、負担軽減に繋がっているという。
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