リクルート進学総研は、全国の全⽇制高校を対象に、新学習指導要領、入試改革、 ICT活用、キャリア教育、進路指導、学校改革等の取り組みに関する調査を実施。このほど、その調査結果を公表した。調査は昨年9月に、郵送調査とインターネット調査により実施。
【授業】【教材】【教材】のいずれも「計画通りに進んだ」が8割前後。時系列でも「計画以上・計画通りに進んだ・計」の割合が増加し、特に【評価】は8ポイント増加している。
課題感のある教科については、【特になし】が30%。およそ3校につき1校は課題がないと感じている。上がった中では【情報】について課題を感じている学校が41%で最も多い。回答校の68%が文系・理系コースに「わかれている」と回答。時系列でみると、2022年と変化はない。「文理コース」を選択する時期は「高校1年生10~12月」がおよそ半数を占める。時系列でみると、2022年と大きな変化はない。
「総合的な探究の時間」への取り組みは「導入・計」が前年同様、9割を超える。導入校における、取り組みにあたり最も難しいと感じるステップとしては、「課題の設定」が6割強を占める。「総合的な探究の時間」への取り組みによる生徒の変化として「そう思う」割合が最も高いのは、【主体性・多様性・協働性が向上した】(14%)。一方、「総合的な探究の時間」への取り組みによる教員・学校の変化として「そう思う」割合が最も高いのは、【地域など校外との関係ができた/深まった】(20%)。
また、「総合的な探究の時間」に取り組むにあたっての課題は【教員の負担の大きさ】が82%でトップ。ほとんどの学校が、「探究活動」が生徒の進路選択へつながると回答。
99%が授業、ホームルーム、探究などの教育活動にICTを活用。現在の教育活動における具体的なICT活用方法・活用シーンは【宿題・課題の配信】が92%でトップ。
ICT活用への取り組みによる生徒の変化では、【主体性・多様性・協働性が向上した】(38%)、【学びに向かう姿勢・意欲が向上した】(37%)が上位。一方、ICT活用による教員・学校の変化としては、【授業の質が向上した】が56%でトップ。今後の教育活動におけるICTの活用方法は「宿題・課題等をオンラインで配布」が56%でトップ。
ICTの活用によって狙いたい効果・変化のトップは、「生徒の興味を喚起し、学習へのモチベーションを上げる」(59%)。以下、「生徒一人ひとりが自分に合った方法や進度で学習できる」と「先生方の負担軽減・校務の効率化」が(各54%)で続く。
学校内の業務における「生成AI」の活用状況は、全体では「教員個人で活用している」(50%)と「使い始めていない(活用はまだこれから)」(46%)の回答に二分される。「生成AI」の活用場面のトップは「授業教材やテスト問題の作成」(43%)、以下「挨拶文や保護者向けお知らせ文書
の作成」(33%)、「課題の採点や添削」(25%)。
進路検討における「オープンキャンパス」参加の推奨度は、96%の学校が「参加」を推奨、「強く推奨している」も6割を超える。2022年と比較して大きな変化はなく、依然として高水準。オープンキャンパスを推奨する理由は「入学後のミスマッチの防止・齟齬の解消」がトップ。
「入試の早期化」の好ましさは、「あまり好ましくない」が48%で半数近くを占め、「非常に好ましくない」と合わせた「好ましくない・計」は63%で6割以上が「好ましくない」と回答している。
これからの社会が「好ましい社会だ」とする割合は、2021年の6割の水準には届かなかったものの、 2022年より増加。教員からみて、今後の社会に特に必要とされると思う社会人基礎力は「主体性」「課題発見力」 が上位。一方、現在の高校生にこれらが“備わっている”と感じる割合は低い。
進路指導上の課題は、「入学者選抜の多様化」が62%でトップ。以下、「教員が進路指導を行うための時間の不足」が60%、「学習意欲の低下」が55%で続く。時系列でみると、2022年と比較して上位項目に大きな変化はない。キャリア教育に関しては、96%が取り組んでいると回答。2022年と比較すると、「学校全体」での取り組みが4ポイント増加した一方、「学年や課程・学科・コース単位」が10ポイント大きく減少し「組織的対応・計」では6ポイント減少して85%。キャリア教育の今後の課題は「教員の負担の大きさ」が66%でやや突出。
最も時間のかかる業務のトップは「授業準備」(30%)。以下「部活指導」(19%)、「教材研究」(14%)。2022年と比較して、大きな変化はない。ICTの活用により最も業務時間が削減されたと思う業務を尋ねたところ、「採点」が27%でトップ。次いで「授業準備」が15%で続き、他は1割未満と低い。「特になし」が24%と高い。
調査結果の詳細は下記で確認できる。