長崎県立諫早高等学校は、偏差値以外の評価軸で生徒の多様な能力の成長を測るため、AIを活用した非認知能力等の客観的評価システム「Ai GROW」(Institution for a Global Societ)を有償導入。このほど、1年生278人が受検した。
「Ai GROW」は、児童・生徒同士の評価にAIの補正を加え、「非認知能力」を含む25種類の能力を公正に評価するツール。測定した能力データを活用し、「どのような教育活動が、どのような能力育成に貢献したのか」を効果検証することができる。例えば、文化祭の前後に受検することで、生徒が文化祭を通して具体的にどのような能力を伸ばしたのかを可視化することができる。
長崎県立諫早高等学校は近年、「キャリア検討会」という脱偏差値型のキャリア教育を推進し、個々の生徒の可能性を引き出す取り組みを強化している。この改革により、総合型選抜入試や学校推薦型選抜入試での合格者数が増加し、多様な進路選択を支援する成果を上げているという。
同校が進めるキャリア教育を中心とした学校改革において、「偏差値以外の評価軸」もあることを生徒に自覚してもらうには、「非認知能力」の成長把握と、生徒への丁寧なフィードバックが、従来の成績表と同様に欠かせないことから、本システムを導入した。
今回の導入にあたり、同校の後田康蔵指導教諭は次のようにコメントしている。
「本校では、教科の学力だけでなく、生徒の能力を多面的に育成し、それぞれの個性がいかんなく発揮される場づくりを目指してきました。一方で、その成果をいかにして測定するかという課題にぶつかっていました。そんな時、本校の自由と主体性を重んじる教育方針を完全にカバーした非認知能力テストに出合いました。その答えは、学校の教育方針に合わせて測定する非認知能力を選ぶという機能でした。今後は、「Ai GROW」の特長である、非認知能力を焦点化でき、1年間に何度も測定ができる点を活かして、1つの行事に中心的に関わった生徒がその行事の前後においてどんな非認知能力を伸ばしたかを測定することで、本校の行事の持つ教育的意義を視覚化したいと考えています」。
Institution for a Global Society株式会社