スタディプラスのStudyplusトレンド研究所は12月18日、中高生を対象に実施した「学習時のスマホ活用、通塾に関する調査」の結果を公表した。それによると、高校3年生の8割が学習に、また、高校生の半数以上が進路情報収集にYouTubeを利用していることが明らかになった。
調査は、10月22日から11月4日にかけて学習管理アプリ「Studyplus」上で全国の中学生・高校生を対象に実施、2,294人から回答を得た。
デジタルを活用した学習がどの程度広がりを見せているかを明らかにすることを狙いに、まず中高生の通塾実態を聞いた。
回答した中高生全体の約6割が通塾中。中学3年生が76.0%と最多の通塾率となっているが、高校1年生になると37.5%まで数値が下がる。高校受験終了のタイミングで、通塾を一度辞めていることが予想される。その後、高校2年生で半数超、高校3年生で6割超と、大学受験が近づくにつれて通塾を再開する傾向が見られる数字となっている。
通塾形態については、中学生は「集団指導塾」、高校生は「個別指導塾」が最多。「集団指導塾」の通塾率は中学生は半数を超えているが、高校生になると31.7%まで下がる。対照的に「映像授業やITコンテンツを使った自立指導塾」に通う高校生は35.2%となっており、「集団指導塾」に通う割合を上回った。
一方で中学生の「映像授業やITコンテンツを使った自立指導塾」に通う割合は6.3%となっている。デジタル教材を中心とした学習塾に通う割合は、高校生になると大きく上昇することがわかる。
また、通塾先でのデジタル教材活用率についても、中学生と高校生とで10ポイント以上の違いが出ている。
学習時のデジタル活用実態について聞いた。学習時のSNS利用に関しては、全体の半数近くが、勉強する際にSNSを利用する傾向が見られた。高校1年生の割合が特に高い結果となっている。
利用するSNSの種類としては、最多がLINE・2番手がInstagram。それ以降では、Xは高校生、TikTokは中学生が活用している傾向が特徴となっている。
SNSを実際にどのように活用しているかについては、「勉強方法や勉強に関わる情報収集」「モチベーションを維持するための勉強記録」が多くの回答を集めた。情報収集・記録以外では「友だちとの勉強通話」「タイムラプス撮影」「勉強風景のライブ配信」といった特徴的なSNS機能を活用したものであり、中学生で活用されている傾向が見える。
学習時のYouTube利用について聞いたところ、YouTubeは中高生全体の7割以上が活用していることが分かった。特に高校生の活用率が高く、受験学年である高校3年生は8割以上がYouTubeを勉強で利用している。
実際に見ている動画コンテンツは「授業動画」。中学生より高校生の方が視聴率が高いのは、高校受験より大学受験向けの方が授業系の動画コンテンツが充実しているということかもしれない。中学生では「勉強のモチベーション動画」の割合が高い傾向も見られた。
勉強利用の際の、お気に入りのYouTubeチャンネルについて自由記述で聞いた。「とある男が授業してみた」が最多であり、「Stardy – 河野玄斗の紙授業」「映像授業Try IT」といった授業動画のチャンネルが多くの回答を集めている。
進路情報を収集する際のYouTube利用について聞いたところ、中高生で顕著に結果が割れました。中学生の利用は20%台・30%台だが、高校生は半数以上が進路情報を収集する際にYouTubeを利用している。
実際に見ているチャンネルは「受験・進路情報動画」が最多で、高校生は半数以上が視聴している。「学校の公式動画」も2割以上が視聴していることもわかった。
印象に残っている動画について尋ねたところ、キャンパス・校内の様子がわかる動画や、在校生・教授のインタビュー動画などの回答が目立った。
勉強でSNSやYouTubeが多く利用されていることが分かった一方で、勉強を妨げてしまうという意見が多い、スマートフォンの利用に関する工夫についても聞いたところ、7割がスマートフォンの利用に関して何かしら工夫をしていると回答した。
具体的にどのような工夫をしているかで最も多かったのは「タイマー・ストップウォッチの利用」、その後は「スクリーンタイム(時間制限)の設定」「スマホ制限アプリの利用」と続く。スマホに備わっている機能や、集中するためのアプリをダウンロードするなどの工夫が上位となっている。「電源をOFFにする」「両親に預ける」といったスマホ外での物理的な工夫も一定の回答が見られた。
▶︎本調査結果の完全版はこちらで閲覧できる。