岡山大学は10月、公立学校共済組合と教職員のウェルビーイング推進に関する協定を締結した。本協定は教職員が心身ともに元気はつらつとして職務を遂行できるよう、心身の健康づくりのための有効な取り組みを検討・実施することにより教職員のウェルビーイングを向上させ、ひいては子供たちの豊かな学びに資することを目的としている。
同日、文部科学省で実施した調印式では、那須保友学長、丸山洋司公立学校共済組合理事長が協定書に署名。那須学長は、「本学にも小学校、中学校を設置しており、メンタルヘルス対策を含む教師を取り巻く環境整備については、大きな課題と認識し対応していたところであり、予防医学的視点による対策をはじめとして、オール岡山大学でグッドプラクティスを生み出し、全国展開できればと考えている」と話した。丸山理事長は、「学校現場の課題は複雑化している。よりよい教育を実現するためには、教員が心身ともに健康でいることが重要。大学の力も借りて環境改善につなげたい」と述べた。
本協定締結の背景には、うつ病などの「心の病」が原因で休職する公立学校の教員が増えていることがあり、教員不足も深刻化している。そのような現状を踏まえ、両者が連携協力して「教職員のウェルビーイングの向上に係る教育研究及び医療に関すること」「教職員のメンタルヘルス対策に関すること」「大学から組合が設置する中国中央病院への医師の派遣」といった活動に取り組む。