スタディプラスのStudyplusトレンド研究所が高校生を対象に実施したSNSの媒体別利用状況調査によると、高校生のInstagramの“鍵垢”保持率は約9割、BeReal.の利用は3割以上にのぼることが明らかとなった。
調査は今年7月、学習管理アプリ「Studyplus」上で全国の高校生を対象に実施。1,401人から回答を得た。
LINEの「利用頻度」、X・Instagram・TikTokの「閲覧・情報」は、1日6回以上の頻度で使っている人の割合が高い。「投稿」の利用頻度については、X・TikTokについては「使っていない」と回答した人が3割近くで一番多い結果となった一方で、Instagramについては「月に1〜2回程度の頻度で使う」と回答した人が多い結果となった。Instagramは他のSNSと比較して、「投稿」が活発に行われているようだ。
各SNSの利用目的については、LINEは「家族との連絡のため」が圧倒的に多く、Instagramについても「周囲の友達の近況や情報を得るため」が1位と、近しい人物とのつながりのために利用している。一方、XやTikTokでは「自分が関心のある分野・ジャンルの情報を得るため」「流行や世間一般の情報を得るため」と、情報収集をメインとした使い方をしていることがわかる。
各SNSのアカウント保有数について聞いたところ、唯一Instagramのみが、アカウント複数持ち(2個保有)の割合が26.1%と一番高い結果となった。
2022年4月に同社が実施した同様の調査と比較すると、4〜6個のアカウントを保有している人の割合がどのSNSにおいても上昇している。高校生のSNSアカウントの複数持ちが、直近2年でより浸透してきたことがうかがえる結果となった。
各SNSの鍵アカウント(非公開アカウント)の保持状況については、X・TikTokは約7割、Instagramは約9割が鍵アカウントを持っているという結果となった。
より詳細な活用状況を確認したところ、全てが鍵アカウントの割合は、Xは3割程度、Instagram・TikTokは半数以上。Instagramでは「鍵アカウント1つ+公開アカウント1つ」「鍵アカウント2つ以上+公開アカウント1つ」の割合が24%と高くなっており、一つの公開アカウントと鍵アカウントを組み合わせる傾向が見られる。
普段よく使うSNSについては、LINEが39.8%と1位、次いでInstagram、Xと続く。利用時間で見ると、X、Instagram、TikTokは1〜2時間程度なのに対し、LINEは1時間未満。利用頻度が高いにも関わらず、時間が短い点は、LINEの主な利用目的が「家族との連絡」であったことも影響していることが考えられる。
近年新しく誕生したSNS「Threads」と「BeReal.」の利用状況についても聞いた。
Threadsを使っていると答えたのはわずか5.3%。他のSNSですでに十分であり、新たに使う必要性を感じていない高校生が多いようだ。
BeReal.は、3割近くの高校生が使っていると回答した。通知をきっかけに使う仕組みであり、時間制限もあることから、他のSNSと比べてアプリの利用に長時間割かなくていいというメリットを感じている人がいる一方で、いつ来るかわからない通知に囚われてしまうというデメリットを感じる人もいて、BeReal.の大きな特徴である通知に対するスタンスが二極化した意見が特徴的となっている。
企業や大学などの公式LINEからのお知らせについては、興味があったり、スタンプやクーポンなどのメリットが受けられる場合には友達追加をするという回答に。通知のON/OFFに関わらず「内容を見ている」と答えたのは36.0%、「内容をほぼ見ていない」か「ブロックしている」と答えたのも36.0%と、友達追加後のお知らせに関しては、見る・見ないがちょうど半数ずつとなった。
進路に関する情報は、Web検索に次いで「紙の資料」が2位につけており、デジタルで収集できる情報とあわせて紙媒体での情報収集も並行して行っているようだ。また、3位には「YouTube」が上がってきており、大学や教育について発信するYouTuberの動画なども進路選択に欠かせない情報となりつつあることがわかる。
進路選択に関する情報収集についてSNSに限って見てみると、インフルエンサーや学生個人のアカウントよりも、大学公式アカウントを見ている人がほとんどで、公式の発信も重要視していることがわかった。
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