公財・山田進太郎D&I財団とビズリーチはこのほど、誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現に向け、次世代の人材育成を支援することを目的とした連携協定を締結した。
本協定に基づき、①STEM領域へ進学する女性の割合増加に向けたキャリア教育等の共同実施、②誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現に向けた課題の解決を担う人材確保の協働――などに取り組む。連携協定を締結した10月10日には早速、両者の取り組みの第1弾として、STEM(理系)分野へ進学する女性の割合増加に向けた中高生の保護者向けのキャリアイベントを、約80人の参加者を集め開催した。
山田進太郎D&I財団は、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を目的に2021年に設立。2035年に女性のSTEM分野の大学への進学率をOECD諸国平均の28%にすることを目標として、中高生女子のSTEM分野への進学やキャリア選択を支援するさまざまな活動を展開している。
ビズリーチは、同財団と連携協定を締結し、転職サイト「ビズリーチ」での人材公募をはじめとしたサービスの活用や、同社が保有するキャリアに関するデータや知見をもとにしたイベントの共同開発など、STEM分野への進学を目指す女性の割合を増加させるための取り組みを実施し、未来の女性STEM人材の育成を目指すとしている。
国連が定めた10月11日の「国際ガールズ・デー」にちなんで、「STEMの学びにより、キャリアの選択肢と可能性がどのように広がるか」をテーマにした保護者向けのイベントを10月10日に開催した。
日本で女性のSTEM分野の大学への進学率が低い背景には、身近なロールモデルの不足だけでなく、「理系進学は女性には向かない」といった日本社会の思い込みがあるともいわれる。子供の進路選択に影響を及ぼすといわれる保護者の意識を新しい時代に合わせて変えていくことが、女性のSTEM分野への進学において乗り越えるべき大きな壁の一つともいえることから、本イベントでは、中高生の保護者を対象に、データや事例をもとに、STEM分野進学後のキャリアの選択肢と可能性について正しく知り、親子でキャリアや進路について考える機会を創出することで、今後のSTEM分野への進学を促進することを目指して開催された。
参加者からは、「これまで自分が持っていた理系に対する概念(女性の比率が少ない、就職にデメリットがある等)が変わった。時代に合わせて価値観もアップデートできてよかった」「理系に進んだ女性の現在の状況を知ることができ勉強になった」などの感想が寄せられた。