熊本県荒尾市とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、LTEモデルの教育用タブレットを活用して登下校中の児童の見守りを行う取り組みを、市内の一部小学校にて10月より先行導入を開始する。
本取り組みは、国土交通省がデータや新技術を活用した先進的な都市サービスの実装に向けて取り組む実証事業を支援する「スマートシティ実装化支援事業」に採択され、2021年度以降の実証実験を経て実装するものだ。
警察庁によると、2022年に交通事故に遭った児童の数は全国で330人にのぼり、そのうち約4割が登下校中に発生している。こうした現状を受け荒尾市は、登下校中の児童の有効な見守り方法をNTT Comと実証実験にて共同検討し、保護者、地域関係者、学校現場等へのヒアリングを通じ、今回の先行導入に至った。
本サービスでは、荒尾市が児童1人に1台配備しているLTEモデルの教育用タブレットを活用し、登下校状況や現在地・行動履歴の把握、登下校エリアから外れた場合のアラート通知を行うことで、保護者に安心安全に関わる情報を提供する。また、児童の位置情報を元に、学校への出欠遅刻情報の取得が可能となり、教職員の日々の出欠情報の確認・管理に関わる稼働削減につなげる機能も提供する。
提供する機能は次のとおり。▽児童の現在地・行動履歴把握▽登下校状況/登下校エリア外に出た場合の保護者通知▽スマホ上での欠席・遅刻・早退連絡▽出欠情報がリアルタイムに確認できる電子出席簿▽電子出席簿データを校務支援システムへ変換するツール。これらはいずれも、自治体・学校・地域関係者へのアンケート結果等を踏まえて搭載した機能だという。
荒尾市とNTT Comは、先行導入サービスの受容性を確認しながら、来年度の市内全小学校での本格導入をめざす。また、NTT ComはNTTドコモと連携し、教育用タブレットの学習用途以外での新たな活用方法を検討し、今回の見守り分野での有効活用を例に、荒尾市と同様の課題を抱える他の地域へのサービス横展開をめざすとしている。