すららネットは、「すらら」算数/数学の海外向け教材の開発を行っている。9月19日、インドネシア語版の小学生高学年分野のコンテンツ開発が完了したと発表。同国におけるICT教材の普及と事業拡大を目指す。
同社は、2015年より海外市場向けに、加減乗除の四則計算を中心とした算数を学ぶICT教材「SuRaLa Ninja!」の提供を開始。2020年からは「すらら」算数/数学のインドネシア語版の開発に着手し、2022年度には、アジア開発銀行研究所およびインドネシア文化教育省との連携のもと、インドネシアの公立中学校の約1万人の生徒に本教材を提供した。この際、中学1年生の学習内容(代数分野)も一部リリースしている。そして今回、小学校高学年の基本的な学習内容(数と式、数量、図形、関数、資料の活用の全分野)の開発が完了し、提供を開始した。
インドネシア語版のコンテンツは、インドネシア教育省関連機関の初等・中等教育の専門家や学校現場の教員の監修のもと、現地の教育事情に合わせて最適化(ローカライゼーション)されている。「日本型算数」の特長である論理的思考力や問題解決能力の育成を維持しつつ、インドネシアの教授法にも配慮した内容だ。
今回の提供範囲の拡充により、中等教育段階にステップアップする支援までを行えるようなった。今後さらに中学生範囲の内容を拡充していく予定だという。
本コンテンツ拡充を契機に、同社はインドネシアでの事業展開を加速させる。すでに、小学校への導入は拡大しており、今後、「SuRaLa Ninja!」や海外版「すらら」に搭載されたテスト機能を活用し、インドネシアの国家試験に向けた対策など活用範囲を拡大させていくという。
また、現在外国人向け日本語学習ICT教材「すらら にほんご」をインドネシアの職業高校や技能実習生送り出し教育機関等へ提供を進めているなか、卒業生が日本国内の企業や在インドネシアの日系企業に就職するにあたり、基礎的な算数・数学力が不足していることが課題として挙がっている。個別最適化学習で実用的な力を身に着ける算数・数学教育と日本語学習を組み合わせることで、日系企業への就職や技能実習制度等を利用した日本への就業を目指す人材育成にも貢献していく考えだ。
同社では、これらの取り組みを確実に実行するため、今後はさらに中等教育分野へのコンテンツ拡充を進め、中学生・高校生を対象に、学年が進むにつれより深刻化する数学力の課題解決を目指す。また就業、進学などのニーズに対応した様々な教育サービスを展開していく予定だ。