鳥取県は、奨学金業務の効率化と負担軽減を目指し、クラウド型奨学金運営管理システム「ガクシーAgent」を導入し、来春より運用を開始する。9月18日、提供元のガクシーが発表した。
本システムの導入により、従来の郵送や書類提出に代わり、WEBやスマートフォンからの奨学金の検索・申請が可能になる。奨学金利用者にとって申請手続きの利便性が向上するとともに、事前に共有された返還計画に沿った通知や個別連絡によるスムーズな奨学金返還が可能になる。
鳥取県では、独自の奨学金制度を運営することで、県内進学や地元企業への就職を促進し、地域の人材不足の解消に取り組んでいる。しかし、昨今の一人親世帯の増加や物価高騰などにより奨学金の申請者が増加し、それにともない支給対象者や返還対象者の管理人数も増加。その結果、運営側の業務負担も増大している現状が課題となっている。
「ガクシーAgent」は、自治体の特性やニーズに合わせた奨学金業務のクラウド型管理システムで、奨学金情報サイト「ガクシー」と連携し、申請受付から審査、支給、滞納者対応までの業務を一元管理・自動化できる。
今回の導入により、同県では「看護職員修学資金貸付制度」などによる返還管理業務など、月100時間程の奨学金運営時間の削減が見込まれるという。自治体側と奨学金利用者が事前にシステム上で、いつどのくらい奨学金を返還する必要があるか、返還計画を事前に共有できるようになるため、スケジュールの管理が容易になり、未納防止につながる等の効果が期待されている。