日本科学未来館は9月4日、高等学校における「総合的な探究の時間」で同館を活用するための教材として、「探究学習プログラム」を公開した。同館の展示見学と学校での準備やまとめを合わせた計6コマ分の授業を提案するパッケージ。探究学習の最初のステップである「課題の設定」に着目し、生徒自身の興味・関心に沿った課題の発見につなげることを目的としている。高等学校だけでなく、中学校「総合的な学習の時間」でも活用できる。
本プログラムでは、課題設定の前段階に「探検」という新たなアプローチを提案している。生徒は同館や学校などで、まずは「なんとなく気になるもの」を気軽に記録し、自分で振り返ったり他の生徒と共有したりする。これにより一人ひとりの気づきや発見を促し、課題設定に必要な自分なりの着眼点を顕在化していくことができる。また、「探検」から具体的な課題設定へつなげる方法も説明している。
同館が行った調査によると、教員は探究学習において生徒の興味関心にもとづく課題の設定に難しさを感じていること、また同館を探究学習に活用したいというニーズがあることがわかった。そこで今回、生徒それぞれの興味・関心を引き出し、課題設定へとつなげる題材として常設展示を役立てることができる授業パッケージを制作した。
教員用のガイドブックに加えて、マニュアルとスライド、生徒用のワークシートも公開している。これらを参考に、各学校の実状にあわせてアレンジを加えるなど、教員が主体的に実施できるプログラムとなっている。
公開にあたり、浅川智恵子館長は「このプログラムを通して、未来館でSTEAM教育の実現に向けた取り組みを実践 していただきたい」とコメントしている。
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