全国の高校生が社会問題を解決するビジネスモデルを発表する「高校生みんなの夢AWARD5」(主催:公財・みんなの夢をかなえる会)が8月22日に、東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催され、「無駄なしきのこ畑〜農業に革命を〜」というビジネスアイデアを発表した高畠奏大さん(郁文館高等学校1年生)がグランプリに輝いた。
起業家予備軍の裾野を広げるため、高校生を対象に2020年より開始した本コンテスト。5回目の開催となった今大会には、全国202校から1,554人のエントリーがあった。エントリーした高校生は、同法人がオンライン上で無償公開している「ソーシャルビジネス学習プログラム」を通じて、世界・日本・地域の様々な社会問題について学び、ビジネスの基本について学習。そして、自らが関心を持った社会問題を解決するビジネスモデルを立案する。
全国大会では、予選を勝ち上がったファイナリストの10人が、ソーシャルビジネスのアイデアを発表。①共感性+社会性、②事業性、③プレゼンテーション力などを審査され、グランプリと準グランプリが決定した。
全国大会の結果、グランプリに輝いたのは郁文館高等学校1年生の高畠奏大さん。
日本の農業衰退という課題解決に向けて、ソーラーパネルのデッドスペースを活用し、持続可能なきのこ栽培を行う。また、きのこ栽培で発生する使用済み菌床を昆虫の餌に活用し、昆虫の養殖と販売を行う。さらに昆虫の養殖で発生する糞を菌床とともに破砕してできる良質な堆肥も販売できるというビジネスアイデアを発表。
既存のアイデアやビジネスモデルを組み合わせ、収支も含めて具体的なビジネスアイデアを発表し、グランプリを受賞した。
子供の入院患者が学校教育を受講できる院内学級は、日本全体で入院を受け入れている病院の30%しか存在しない。また、医療の発達とともに長期入院が減少し、入退院を繰り返す子供が増え、学習の進度が管理・把握できていない子どもが増加している社会課題に着目。
療養中の子供達が抱える学習機会の損失と、学校に行けないことによる孤独感を解決する場所として、学習コンテンツ、教育カウンセリング、コミュニティ、学習管理の4本柱で構成された独自のオンラインサービスを立上げるというビジネスアイデアを発表し準グランプリを受賞した。
次回の「高校生みんなの夢AWARD6」は、2025年8月11日大阪・関西万博で開催する。万博の趣旨に則り、外国の高校生からのエントリーも受け付ける予定。公式Webサイトで今年11月頃に情報公開予定。