大日本印刷(DNP)は7月24日、生活者が自治体の各種サービスをインターネット上の仮想空間・メタバースで利用できる「メタバース役所」の提供を開始した。
同社では今年2月に三重県桑名市と共に、「メタバース役所」で「電子申請手続きの総合窓口」「各種相談業務」「市民交流の場」を提供する実証実験を行っており、これらの経験・ノウハウを活かして今回のサービス提供開始に至った。今回、より多くの自治体が活用できるように、複数の自治体で運用を分担してサービス利用料を抑える共同利用モデルとして提供する。
「メタバース役所」共同利用モデルの特長は以下のとおり。
複数の自治体が「メタバース役所」をプラットフォームとして共有することで、相互の連携強化による住民サービスの質の向上につなげることができる。例えば、子育てや介護、不登校等の課題に連携して取り組むことで、より住民にとって効果的な施策を検討・実施することができる。
自然災害をはじめとする緊急時にも、複数の自治体同士で支援し合う強固なBCPを構築できる。例えば、特定の被災地で物理的な役所の機能が滞った際に、連携先の自治体の「メタバース役所」で対応できるほか、復旧・復興時の住民コミュニティの維持・再生などに活用できる。
住民からの問い合わせに対応する業務等を標準化することで、複数自治体による共同利用を可能にする。これによって各自治体はサービス利用料を抑えながら、場所や時間の制約を減らした形で、行政サービスを住民に提供できる。また、住民との交流会等について、複数の自治体が企画・運営上の課題を持ち寄って解決を図ることで、利用自治体の運用負荷を軽減。これにより、財政的な負担を抑えながら、住民に対する充実したサービスの提供につなげることができる。
◎共同利用モデル:参加自治体に共通の空間・サービスを提供
◎個別利用モデル:共同利用モデルの基本機能に加え、自治体ごとにカスタマイズした空間・サービスを提供