バイテク情報普及会は7月16日、「第8回高校生科学教育大賞」の選考結果を発表。最優秀賞には、京都府立桂高等学校の「原種『フジバカマ』の茎頂培養によるウイルス除去と養液栽培システムの構築」が選ばれた。
「高校生科学教育大賞」は、これからを担う高校生に「植物バイオテクノロジー」と「持続可能な農業」についてより深く学び考えるきっかけとしてもらうことを目的として同会が2017年に創設、支援対象となる科学教育活動を公募し、採択校にはその活動費用として1校につき最大100万円の支援を行っている。第8回となる今年度は、全国の高等学校から合計17件の応募があった。
最優秀賞の桂高等学校には、同会より活動支援金として申請金額の全額である80万円が給付される。秋の七草のひとつで、古来より人々に親しまれ文化的価値が高いフジバカマが絶滅寸前種であることから、ウイルスフリー株を作出して原種を保存することを目標にした本研究は、生物多様性や地域社会へ大きく貢献することが期待される。また、得られたウイルスフリー株を簡易的に養液栽培で行えるシステムの構築や、一般市民への普及活動も考案されている点も高く評価された。
また、特別優秀賞に広島県立西条農業高等学校の「遺伝子の発現の変化と関連づけて高温ストレス耐性をもつチンゲンサイの品種を創出する」、優秀賞に岡山県立高松農業高等学校の「茎頂培養による和薄荷優良苗の育種と増殖並びにその活用と普及に関する研究」、栃木県立那須拓陽高等学校の「植物間コミュニケーションによるダイズの生育の変化」が選ばれた。特別優秀賞の西条農業高校には25万円、優秀賞の高松農業高校と那須拓陽高校にはそれぞれ20万円の活動支援金が給付される。
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