㈱マンダムは汗の悩み解消に向けた情報を提供するため「汗マネジメントセミナー」を7月4日に開催した。セミナーでは7月8日が「汗マネジメントの日」に制定されたことを発表。さらに、「汗に関するお悩み」についてのトークセッションをはじめ、エアロバイクを使用したTシャツの汗染み比較に関する実証実験も行われた。
マンダムでは汗やにおいの悩みを解決したいという思いのもと、2010年から大阪大学と共同研究を実施。汗腺にフタをして汗を抑えるメカニズムだけでなく、「汗腺自体を眠らせることで根本から汗を抑える制汗技術の実現」に取り組んできた。研究開始から13年の時を経て、2023年に汗腺を「眠らせる」制汗技術を開発した。
「汗マネジメントセミナー」ではマンダム先端技術研究所 ライフサイエンス研究グループ マネジャーで臭気判定士の原武史氏が新たな制汗成分であるグリチルリチン酸モノアンモニウム(GMA)について説明。さらに、制汗技術の歴史や剤形別デオドラント剤の特徴・生活者ニーズについて解説した。
原氏によると、過去11年間の男性デオドラント市場における剤型のシェア推移では、直塗りタイプのシェアが拡大しており、汗・においの悩みを解決したいというニーズが高まっているという。また、今回の汗腺を「眠らせる」新技術も含め、「汗腺研究」を今後も継続し、生活者のさまざまな「汗とにおいの困りごと」に対応できるよう進化させていきたいと語った。
「汗マネジメントセミナー」では、新たな制汗成分(GMA)と従来の制汗技術を併せた処方サンプルを使用し、エアロバイク乗車後のTシャツの汗染みを比較する実証実験が行れた。グレーのTシャツを着用した被験者3名には左ワキのみに新たな制汗成分(GMA)配合のサンプルを塗布。エアロバイクを30分間漕ぎ、走行後にサンプルを塗布したワキと塗布していないワキで汗染みの見え方を確認し、制汗力を検証した。その結果、新たな制汗成分(GMA)配合のサンプルを塗布した左ワキは右ワキに比べ、汗染みが少ないことが確認された。
【7月8日(夏の発汗)を「汗マネジメントの日」に制定】
マンダムは汗と体臭に関する独自の研究や役立つ情報を発信してきたが、夏の暑さや汗悩みを抱えるすべての人が「汗マネジメント」を実践することで、より快適な日々を送ってほしいという思いから「夏【7】の発【8】汗対策」の語呂合わせで7月8日を『汗マネジメントの日』として制定。(一社)日本記念日協会から正式な記念日として認定された。
【「汗に関する悩み」のトークセッション】
マンダム 先端技術研究所 ライフサイエンス研究グループ におい研究員で臭気判定士の久加亜由美氏に加え、池袋西口ふくろう皮膚科クリニックの藤本智子院長と、NPO法人多汗症サポートグループの黒澤希代表理事をゲストに迎え、「汗に関する悩み」についてのトークセッション行われた。
池袋西口ふくろう皮膚科クリニックの藤本院長によると、汗は体温の調整機能において重要な役割を担っており、汗の水分が皮膚の上で蒸発するときに体の熱を奪うことで、体温を正常に保っているという。一方、多汗症に関する調査によると日本で暮らす人の10人に1人が汗に関する悩みを抱えており、世界的に見てもかなり多くの人が悩んでいるという。「マンダムの新技術は汗に悩む人に、新しい選択肢を提供する可能性が広がると思う。今後も制汗剤技術を進化させて、より多くの人の汗悩みを解決してほしい」と語った。
NPO法人多汗症サポートグループの黒澤代表理事は「汗に関する悩みを抱えている人は多く、“汗染みができてしまって電車でつり革が掴めない”“においが気になり、着替えを常に持ち歩いている”など汗悩みのエピソードは、挙げだしたらキリがない」と語る。汗の悩みは言い出しにくい悩みでもあるが、「マンダムの新技術はセルフケアとして取り入れられるのが大きい。だからこそ、隠れた汗悩みを持つ方の救いになるのではないか」と考察する。
マンダム先端技術研究所 ライフサイエンス研究グループ におい研究員で臭気判定士の久加氏によると、実は汗や皮脂自体には全くにおいが無いという。しかし、時間が経つにつれて皮膚上で汗と皮脂が混ざり合い、細菌がその汗や皮脂を代謝することで、におい物質が発生する。「においには個人差があり、ワキ臭だけでも7タイプの分類があることがわかっている。体臭発生のメカニズムを知ることで適切なケアが可能となり、におい悩みを軽減できるかもしれない」とし、「今後もマンダムでは、汗やにおいの新たなマネジメント方法を提案することで、生活者の悩みの解消に役立ちたいと考えている」と語った。