京都産業大学は大学DX推進の一環として、深層学習と自然言語処理 (NLP) を活用したPKSHA AI ヘルプデスク(以下、AIヘルプデスク)の運用を今年から開始している。7月3日、PKSHA Technologyグループが発表した。
AIヘルプデスクは、PKSHA Technologyのグループ会社であるPKSHA Workplaceとソフトバンクの協働により、同学のウェブサイトおよび学生・教職員が使うMicrosoft Teams上に設置している。
京都産業大学は、学生の成長をデジタルで支援するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)に力を入れている。その一環として、2023年6月には5GやAIなどの先端技術を活用して社会課題の解決に取り組むソフトバンクと、DXのさらなる推進を目指す連携提携協定を締結。具体的には、ハードウエアとソフトウエアの双方からスマートキャンパス化をサポートするため、専門の担当者「スマート・キャンパス ディレクター」を迎え、同社やパートナー企業との協働を拡大しながら、外部の知見や製品を取り入れた総合的なDXに取組んでいる。
この取組みの一環として、大学運営にAI技術を活用していくことを目指し、大学公式ウェブサイトおよび Microsoft Teams 上にAI窓口の設置が決定した。この推進に際して、デジタルキャンパスコンソーシアム等の活動や、大学でのAI導入の実績を踏まえ、PKSHA AI ヘルプデスクの導入を決めた。
同学では、AIヘルプデスクを導入するにあたり、学生や職員を含む全関係者が利用できるよう、大学のウェブサイトおよび学内で学生と教職員が使う Microsoft Teams にAI窓口を設置した。Microsoft Teams に設置したAI窓口では、教務部門、情報システム部門をはじめとする全ての部署が直接質問に答えられる設計になっている。外部からのアクセスが可能なウェブサイト上では、入試や制度といった学外の人も参照可能な情報を、一方でMicrosoft Teams 上では、学生や教職員のみがアクセスできる情報を提供するなどの工夫も施されている。
窓口を通じてAIが回答できなかった場合には人の手による応答が可能。人の応答ログをもとに自動でFAQを生成することで、自動解決率を高める機能も備えた。これにより、学生生活の利便性の向上と窓口業務の効率化が期待される。
本学では、大学DX推進の一環として、問合せ窓口となるチャットボットの導入を検討してきました。しかし、一般的なチャットボットはQAの運用負荷が高く、生成AIを活用した仕組みは誤回答が課題でした。その中で、PKSHAのAI ヘルプデスクは人とAIの良いところを組み合わせており、問合せへの自動回答やQA管理にAIを活用することで管理コストを削減できるほか、 Microsoft Teamsのチャット機能を有人対応に利用できる点が評価ポイントとなりました。
今後はPKSHA、ソフトバンクと共に、大学が持つデータとTeams上に蓄積されたデータをかけ合わせ、学生一人ひとりに寄り添った新しい取り組みに活用していきたいと考えています。