横浜市は、これまでシステムで未収管理できていなかった債権について、債権管理業務の効率化とコンプライアンス、経営の強化を図るため「統合型滞納管理システム」を導入し、運用を開始した。採用したのはアイティフォーのパッケージシステム「統合型滞納管理システム」。
横浜市は、2017年3月に全国の市町村で初めて「横浜市官民データ活用推進基本条例」を制定以降、組織全体でよりデータを重視した政策への取り組みを促進している。さらに2020年5月に策定した「新たな財務会計システムの構築に向けた基本構想」の中で、業務効率化、コンプライアンス、経営の3つの視点からICTを活用した業務環境と経営基盤の整備を目指している。
今回導入した統合型滞納管理システムは、この基本構想にある新財務会計システム構築の対象の1つである「債権管理」となる。各課が個別に行ってきた未収債権の管理の業務手法を統一するものだ。
これまでシステムで未収管理できていなかった、公債権・私債権を、今回導入した統合型滞納管理システムで管理する(税、国保等は含まない)。各課における債権管理は業務ワークフロー機能で実現され、滞納者件数、金額、ステータスごとの期日管理など担当者別の作業状況などを見える化。滞納管理事務の効率化と事務処理の高度化が実現する。未収債権が発生した場合は予算執行システムや個別システムとの連携や、その他オンライン取込によって、必要な債権情報を滞納管理システムへ反映する。
また、不慣れな職員でも規則に沿って操作ができるよう操作性を改善することで、新システム導入による負担を軽減。さらにこれまで手作業で実施してきた債権データの集計をシステム化し、債権管理に使用する帳票を簡素化・共通化することで、容易にデータの集計や活用が可能になる。
すべての債権管理が一つのシステム上で管理され、業務手法が統一されることで、債権管理業務における職員の手作業が削減され業務負担が軽減。作業ミス発生の抑制のほか、市民サービス業務へのさらなる専念が可能になる。また未収債権の集計作業の負荷軽減が可能になり、債権管理やデータ分析が容易になるため未収債権の早期解決も期待でき、経営強化が実現。さらに、内部統制が的確に行えるシステム環境が整備され、コンプライアンス強化を図ることができる。