大阪大学は、業務DX推進の一環として、全学の事務部門(約1,600人)を対象に生成AIサービスを導入し、5月から運用を開始した。国立大学法人の事務部門への導入規模としては最大級だという。
今回導入したのは、科学情報システムズが提供するプライベート ChatGPT サービス「Knowledge Stack」。本システムは、同学専用のAzure環境内で Azure OpenAI Service を用いてLLM(GPT-3.5、GPT4)を利用するサービスで、プロンプトに投入されたデータは国内の閉域サーバ内で管理される仕組みであるほか、LLMの学習に使われることもない。
同学では、今回導入した「Knowledge Stack」に、ニーズに沿った機能を拡張させることにより、事務職員の業務を効率化し、高度な内容へと進化させることを目指す。
具体的には、大量の文書を扱う業務においても十分対応できるように、GPT以外の複数のLLMモデルを利用可能にすることや、学内規程や通知文書をデータソースとして精度の高い回答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation)を導入することで、事務文書の英語化・議事録作成・資料要約などさまざまな部署で求められる業務の効率化を加速し、業務の質も向上させる。
また、アイデアの検討・整理・ブラッシュアップやブレーンストーミング、データ収集からデータ分析などの業務においても、生成AIの展開を推進することで、より高度な企画立案が行えるようにする。
同学では今後も、先進的技術を活用して職員のパフォーマンスを最大限に引き出し、高度化・卓越化を進めるべく、DX推進、事務業務の改革に取り組むとしている。