宮城県石巻市の全小学校32校は、ポプラ社が小中学校向けに提供する読み放題型電子図書館「Yomokka!(よもっか)」を採用。すべての児童の利用開始に向けて2024年4月から導入準備を開始した。石巻市とポプラ社は相互に連携し、持続可能な社会づくりを図ることを目的に2022年6月に包括連携協定を締結。協定に先行して「Yomokka!」を試験的に導入していた開北小学校と釜小学校の2校での利用実績が石巻市および石巻市教育委員会に報告されたことが、全市導入のきっかけの一つとなった。
開北小学校と釜小学校の2校は2024年4月に児童のアカウントの進級更新が完了しており、「Yomokka!」が授業や読書に活用されている。新規導入となる30校では市教委を通じて「Yomokka!」導入説明会などの準備が進められている。
2024年5月以降順次、全小学校32校の児童約6000人に1人1台配布されている端末を通じて、「Yomokka!」に掲載される38出版社4200冊(※)以上の多様なジャンルの電子書籍へのアクセスが可能となる。(※2024年5月時点。順次増える予定)
ポプラ社が運営する小中学校向けの本と学びのプラットフォーム「MottoSokka!(もっとそっか!)」では、読み放題型電子図書館「Yomokka!」と、オンライン事典サービス「Sagasokka!(さがそっか!)」の2つのサービスを提供している。
【石巻市教育委員会 宍戸健悦教育長 コメント】
「Yomokka!」を導入した結果、子供たちの反応は予想以上のものでした。「みんなで気になる本を同時に読むことができる」、「図書室に行く時間がない時でもタブレットで読むことができる」など、まさに「いつでも、どこでも、好きなだけ」を体現する児童の姿が多くみられました。一方で図書室の利用や貸出冊数が減るのではないかという心配があったのですが、これまでに比べ大きな減少は見られず、多くの児童が図書室を利用しています。
このことを受け、本市では2024年度から「Yomokka!」の全校導入にいたりました。利用状況の本格的な検証はこれからですが、先生方や児童から「重い図鑑も自分のタブレットでたくさん読むことができる」、「みんなで面白い本の情報を共有できる」、「新作の本を、待つことなくすぐに読める」、「時間を忘れて読んでしまう」などの声が上がっています。
「Yomokka!」を導入したことで、市内の子供たちが読書の楽しさをこれからもっともっと体感できるのではないかと大いに期待しています。そして、たくさんの読書体験が想像力を育み、論理的な思考力を高め、語彙力を増やす土台になればと思っています。
【株式会社ポプラ社 取締役副社長・こどもの学び本部 本部長 平瀬律哉氏 コメント】
弊社はかねてより学校図書館向けの学習資料や児童向けの読み物に力を入れてきました。「Yomokka!」はICTの活用により子供たちの読書の選択肢を増やし、あたらしい読書体験を通じて「本好き」になってもらうことを目指したサービスです。
石巻市の全小学校の子供たちに「Yomokka!」を通じて本を好きになってもらうことが、個別最適な学び・協働的な学びの実現と、生きる力を育む一助になることを願っています。さらに、学校図書館を含めた読書活動の活性化にも貢献したいと考えています。
<読み放題型電子図書館「Yomokka!」とは>
「Yomokka!」は“いつでも、どこでも、好きなだけ!”をコンセプトに子供たちの読書環境を支え、新たな読書体験を提供することを目指した読み放題型電子図書館。同じ本を何人でも同時に読むことができ、朝の読書タイムはもちろん、並行読書や調べ学習など授業の中でも活用できる。さらに家庭に持ち帰って読書を楽しむこともできる。
子供たちの多様な興味にこたえられるよう、ポプラ社と「Yomokka!」の理念に共感した参加出版社の様々な作品をそろえ、現在、38社約4200冊の作品を掲載している(2024年4月現在)。掲載作品は今後も随時追加される。
インターフェースは子供たちが直感的に操作できるよう工夫されており、導入に時間をかけず使い始めることができる。また、本を読むだけではなく、様々な本と出会える機能も搭載しており、子供たちの読書の幅を広げることができる。本が好きな子はもっと好きになり、苦手な子にとっても読書のきっかけになるサービスとなっている。