東洋大学とグーグル・クラウド・ジャパンは5月30日、未来志向の大学運営DXの構築を目指し、デジタルトランスフォーメーション (DX) に関する戦略的提携を締結した。
本提携により両者は、俊敏性の高い組織体制の確立、業務効率化とコスト効率の向上、セキュリティ強化および教育・研究環境の向上の4つの領域で協力し、大学DXの実現を目指すとしている。
東洋大学は、社会環境の変化に迅速に対応できる組織体制を構築するため、大学全体でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する新しいプロジェクトを開始。基本的なアーキテクチャは大学 DX に必要な機能全てをクラウドベースで実現するというもので、さまざまなクラウドサービスを検討した結果、安全でスケーラブルかつ多様なサービスを提供する Google Cloud を選定することとした。
Google Cloud は、主要業務システムやその周辺システムのクラウド移行に向けた技術支援や検証環境の提供を通じて、このプロジェクトを支援する。またマイクロサービス、コンテナ、サーバーレスなどのクラウドネイティブ技術を提供し、拡張性と俊敏性を備えたアプリケーションの構築をサポート。これにより、AI 技術の高度化やネットワーク環境の進化への対応、政府のデジタル化施策に合わせた外部システムとの連携などの実現を目指す。
東洋大学は「Fit to Standard」のアプローチを採用し、必要に応じて独自の開発を行う一方で、業界標準のシステムを全学的に利用することで、業務プロセスの改善とコスト効率の向上を図る。Google Cloud は、Google Workspace for Education Plus を提供し、コミュニケーション、コラボレーション、ドキュメント管理などの機能を通じて、校務の効率化と働き方改革を支援する。
東洋大学は「セキュリティファースト」の原則に基づき、全学的なガバナンス管理体制の確立を進めている。大学 DX に必要なセキュリティアーキテクチャの設計を独自に進め、大学全体の安全性と効率性を向上させる。Google Cloud の Identity and Access Management (IAM) や Google Security Operations などの高度なセキュリティ運用プラットフォームを活用し、統制の取れた環境下で部門間・システム間連携の実現を目指す。またセキュリティ情報を集約・分析し、外部からの脅威への迅速な対応を可能にする。
東洋大学では、既に一部で活用している生成 AI サービスの活用を拡大し、教育システムをさらに進化させる。これにより、学生や教職員にとって使い勝手が一層向上した学習・研究環境を実現する。こうした先端的なIT環境の提供により、教育と研究の新たな可能性を広げ、イノベーションを加速させる。
私たちが目指すのは、クラウドネイティブを前提としたマイクロサービスアーキテクチャの採用と、AI の全面的な活用です。開発手法としてアジャイル開発を採用し、運用開始後も継続的に進化できる柔軟なシステムの実現を目指します。このような長期的な視野に立ったプロジェクトを遂行するにあたり、クラウドネイティブの環境構築に豊富な実績を持ち、IaaS から PaaS まで幅広いサービスを提供し、AI の分野でも高い技術力を有する Google Cloud を戦略的パートナーとして選定しました。