NPO法人みんなのコードは5月30日、2023年度に実施した小中高対象「生成AI100校プロジェクト」の実践報告を公開した。4カ月間に全国104校の授業等で「プログルラボ みんなで生成AIコース」ベータ版を活用。6,019人の児童・生徒等が利用し、36.8万件の対話があったという。
文部科学省が昨年7月に「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を発表するなど、学校現場において生成AIに関する注目が高まる一方で、学校現場での生成AIの利用にあたっては、「個人情報が外部にわたってしまうのではないか」「教員の目の届かないところで、子供がどんな使い方をするかわからないのが怖い」といった懸念の声がある。
そこで、同法人は同年12月、「みんなで生成AIコース」ベータ版をリリース及び小中高対象「生成AI100校プロジェクト」を開始した。「生成AI100校プロジェクト」の実施によって、「 みんなで生成AIコース」ベータ版を100校限定で無償提供及び活用の手引きを公開し、多くの学校で使える環境を提供した。
昨年12月から今年3月末までの4カ月間、小中高合わせて104校、延べ6,019人が「みんなで生成AIコース」を利用し、36.8万件の対話があった。これは、1人につき約60回の対話がされている計算になる。
また、実際に「みんなで生成AIコース」を授業で利用した児童・生徒1,620人が回答したアンケート結果から、生成AIを利用した小学校の約7割、中学校の約8割が、普段の授業と比較して、生成AIを使用することにメリットがあると実感したことが分かった。
教員のアンケートからは、生成AIを利用した全教員が、「生成AIを使いこなす力は、全ての児童・生徒にとって重要なことであると思う」と回答した。
「生成AI100校プロジェクト」を通じて、私たちは生成AIの教育現場での活用が児童・生徒に与える影響が大きいことを実感しました。このプロジェクトでは、短期間にも関わらず全国104校から参加をいただき、合計6,019名の児童・生徒が生成AIを体験しました。36.8万件に及ぶ対話の中で、児童・生徒たちは生成AIの力を借りて自らの学びを深め、新しい視点を得ることができました。
プロジェクトに参加した児童・生徒・教員のアンケート結果から、生成AIは児童・生徒の創造力を引き出し、学びの質を高める強力なツールであることを再認識しました。みんなのコードは、今後も「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」というビジョンに向けて、学校での生成AIの適切な取り組みが進むようサポートして参ります。