高専生が日頃培った〈ものづくりの技術〉と、AI分野で特に成果を出す技術〈ディープラーニング〉を活用した事業アイデアで、企業評価額を競うコンテスト「第5回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2024(DCON2024)」の本選が5月10日・11日に開催された。主催は、国立高等専門学校機構と日本ディープラーニング協会(JDLA)。
今大会には、過去最多となる全国72チーム(31高専) がエントリーし、本選には11チーム(11高専)が出場。特殊詐欺対策やカーボンニュートラル、スリープテックなど様々な社会課題の解決、地方産業の活性化に向けたプロダクトとビジネスプランが揃った。
東京都立産業技術高等専門学校 品川キャンパス(チーム名: Technology 七福神)が、AIを活用した電話詐欺対策(作品名:「FraudShield AI」)で最優秀賞を受賞し、企業評価額4億円という評価を受けた。
2位には同じく企業評価額4億円の評価を受けた香川高等専門学校 高松キャンパス(チーム名:村上らぼ&宇宙開発研究部)による養殖業のDX化による漁業損失減と業務の効率化を目指したシステム(作品名:貧酸素水塊検出・赤潮予測システムおよび水中魚体監視システム)が受賞した。
両校は同じ企業評価額で、ベンチャーキャピタリストの合格札数も同数となり、企業評価額の“合計金額”が高い東京都立産業技術高等専門学校 品川キャンパスが最優秀賞という結果になった。
なお、当日の模様はJDLA公式YouTubeチャンネルでアーカイブ動画を公開しており、誰でも視聴することができる。
大会を振り返り、DCON実行委員長の松尾豊氏は次のようにコメントしている。
「各チーム、レベルが凄く高かったです。年々レベルが上がっていますが、今年は特にビジネスモデルとして、ここまで考えているのかという学校も複数出てきています。技術だけではなくビジネスと融合してきたと感じました。高専生とは思えない、本当にビジネスに深く入り込んだ提案が着実にレベルが上がっています。
このままDCONを広めていって、大きなエコシステムとして発展できるように、みんなで頑張っていきたいと考えます」。
▶︎「DCON2024」本選の模様(JDLA公式YouTubeチャンネル)