青森市立沖館小学校とコクヨは5月1日、小学校低学年の課題である家庭学習の習慣化について、IoT文具「しゅくだいやる気ペン」を活用した実証実験を開始した。実証期間は7月31日まで。
「しゅくだいやる気ペン」は、市販の鉛筆に取り付けるセンサー付きアタッチメントで、スマホアプリと連動することによって、家庭学習の習慣づくりをサポートする製品。主に小学校低~中学年を対象とし、累計出荷台数は5万台を突破(2024年2月時点)。2019年の発売以来、家庭学習における「親子のコミュニケーション」に着目し、「書く⇔褒める」の好循環を回すことで子供のやる気を育むサービスとして注目されている。
今回、このIoT文具を活用することで、家庭学習における親の伴走環境のあり方を沖館小と共同で検証する。変化する教育環境の中で、学校教育のみならず家庭教育がどうなっていくのか、どうすべきなのかをやる気ペンデータ(家庭学習データ:家庭学習時間や頻度等のデータ)を活用しながら、教員だけでなく保護者を巻き込みながらの検討を試みるという。しゅくだいやる気ペンを活用することで、学力や学習習慣の改善効果だけでなく、新たな気づきや課題の発見等を抽出することで、具体的な学校教育と家庭学習支援のあり方を探る。
実証実験は、2年生と3年生のすべての児童(177人)を対象に、各家庭で数カ月間にわたって実施し、実証検証終了後に結果を別途発信する。
期 間 5月1日(水)~2024年7月31日(水)※9月30日まで延長の可能性あり
対象者 青森市立沖館小学校 2年生96人、3年生81人 計177人
担任教員から保護者を通じて、合意を得た家庭に対して「しゅくだいやる気ペン」を提供し、児童の日々の家庭学習に「しゅくだいやる気ペン」を使用。定期的に、アンケートやデータ集計を用いて家庭学習の意欲の変化、習慣化、学習意欲や学力の変化を分析する。
「しゅくだいやる気ペン」による家庭学習に関するさまざまな変化(教員、保護者、生徒の変化)を把握し、家庭学習に対する学校と家庭との新しい関係を見出す。将来に向け、教育の新しい形を創造する。
このIoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、家庭学習定着化の1つのツールとして有効であると考えました。
その理由として第一に、子供たちは普段からICT機器を使いこなしており、様々なアイテムも用意されているので、「ゲーム感覚」で楽しみながら活用できることがあげられます。第二に、普段は忙しく会話ができにくいご家庭でも、この「しゅくだいやる気ペン」をきっかけとして、親子での対話が増え、保護者の家庭学習に対する意識が高まると考えたからです。第三に、子供たち一人ひとりの頑張りが視覚化され、子供自身が自分の頑張りに気づくとともに保護者が褒めることで、家庭学習にこれまで以上に主体的に取り組むことができるようになるからです。そして、家庭と学校が協働しながら、家庭学習に取り組む土台づくりを進めていきたいと考えています。