鹿児島県教育委員会とライフイズテックは4月23日、「誰一人取り残さない」ICT教育の実現に向け、連携協定を締結した。
本協定に基づき、県内公立高等学校教員の指導力向上や授業実践方法の研究、情報教育の在り方やその教育効果の実証調査などに取り組む。
鹿児島県では、情報化が急速に進展する社会において、県内のどの地域においても生徒がICTを積極的に活用した質の高い教育を受けられる環境整備を促進することを目的とし、「未来を創る鹿児島『教育の情報化』推進プラン」を策定している。
特に離島・へき地を多く有する鹿児島県では、地域間・学校間でばらつきを解消し、「誰一人取り残さない」学びの実現に向け、これまでも ICTや情報・教育データを積極的に利活用した取組を進めてきた。
この取組をさらに推進すべく、今回の連携協定において県とライフイズテックは、「情報Ⅰ」に対応したプログラミング・データサイエンスの教員向け研修、公立高等学校全校へのプログラミング学習用EdTech教材「ライフイズテック レッスン」の提供を行う。また、効果測定においてはプログラミングの知識・スキルの定着に加えて、社会課題への取り組み意欲や効力感など非認知能力に関する効果検証も行う。
なお、同県ではすでに、中学校版の「ライフイズテック レッスン」が多くの市町村(中学校)で導入されているため、本連携協定により、中学校におけるプログラミング学習から、発展的な内容を扱う高校「情報Ⅰ」に繋がる中高6年間の継続した学びの階段が実現する。
令和4年度から実施されている高等学校の新学習指導要領において、高校の普通科では「情報Ⅰ」が必修となっている。県教育委員会と連携しながら、教員向けにライフイズテック レッスンを用いた研修を実施し、教員自身がプログラミングやデータサイエンスを実習を通して学ぶ手触り感のある体験を通じて、「情報Ⅰ」対応に向けた情報科教員の指導力強化を図る。
鹿児島県公立高等学校全校に、プログラミング学習用EdTech教材「ライフイズテックレッスン」を提供することで、個別最適な学習環境を格差なく提供する。全校提供による指導ノウハウの横展開を通じた、授業の質の向上も目指す。
プログラミング学習を通じた意識変化を検証するとともに、検証結果を通じた、授業内容の振り返りや指導案の改善へと繋げる。これらデータを通じた学習効果・成果の検証を通じて、県のプログラミング教育をアップデートし続けることを目指す。