東京理科大学は4月18日、情報系分野を担う「デジタル人材」の育成を主眼とした学部・学科を2026年4月に新設する構想であることを発表した。新たに設置するのは、「創域情報学部」と、理学部第一部「科学コミュニケーション学科」。
「創域情報学部」では、最先端の情報科学技術分野の教育・研究を強化することにより、当該分野自体の高度化やイノベーションを創出するとともに、共創を通じ、情報科学技術を応用する各分野の発展を牽引することを目指す。理学部第一部「科学コミュニケーション学科」では、細分化され複雑化する科学技術が社会の理解を得て活用される社会を実現するため、情報技術を活用し、科学技術を広く一般に「伝える」人材の輩出を目指す。
なお、創域情報学部の設置に伴い、既存の創域理工学部情報計算科学科(入学定員120人)及び経営システム工学科(同110人)は 2025年度入学者を最後に募集停止し、新設学部に定員を移行する。
創域情報学部は、最新のAIや量子コンピューティングをはじめ、データの分析・運用を扱うデータインテグレーションから、高度なICTを実現するコンピューティングまで、先端的な情報系分野を網羅し、積み上げ型だけではない研究手法によって、情報系分野の発展を加速させる。また、情報系分野における横断的な知識を媒介として、他分野と広く結びつくことによって、社会価値の創出に向けた革新的技術を世界に向けて発出する。
この使命とともに、新しい領域を創造し、新たな価値を創出する「創域」の理念のもと、学問分野の垣根を超えて、融合教育・連携研究を推進し、情報科学技術を基盤として、まったく新しい領域を切り拓くことができる「専門人材」と、あらゆる分野に新たな価値を生み出す「融合人材」を輩出する。
創域情報学部には、情報理工学科の1学科を設置しコース制を導入することで、学生が入学後に自分の進むべき分野を見定め、主体的に学修を進めることが可能。コンピューティングを扱う「コンピュータ科学コース」「知能メディアコース」、並びに、データ分析・運用を扱う「データ科学コース」「社会システムコース」の計4コースの設置を構想している。
科学コミュニケーション学科の特長は、本学が積み重ねた教科に関する専門知識を基盤に、「情報・データサイエンス」「サイエンスコミュニケーション」などの新たな分野の知識を組み合わせ、高度な「科学」を広く一般に「伝える」能力を持つ人材を育成すること。
「情報・データサイエンス」「STEM/STEAM」「サイエンスコミュニケーション」「教育工学・学習科学」など現代社会に必要となる知識・能力と、同学が今まで培ってきた理数教科に関する深い専門知識をバランス良く組み合わせながら、高度な「科学」を広く一般に「伝える」能力とともに、情報技術の活用、科学的な見方や考え方、デジタル社会に主体的に対応できる能力に加え、他者と協調し、学び、教えるというコミュニケーション能力の涵養を目指す。
また、情報系分野を含む科学(理学)の普及(教育・発信)を担う人材の育成を目的とし、理学研究科 科学教育専攻への接続及び教職教育センターとの連携も見据えており、卒業後の進路としては、教育機関に限らず、官公庁・教育産業・メディア・科学館等や教育・情報分野のスタートアップ企業など幅広く想定している。